入社1か月・3日で辞めたい|新卒と研修中で変わること・変わらないこと

カテゴリ: 揉めてはいない

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目次
  1. 辞めるまでの日数は変わらない
  2. 研修期間中でも同じ
  3. 内定辞退との境目
  4. 聞いていた条件と違う場合
  5. 入社直後に発覚しやすい相違
  6. 示せる材料を先に集める
  7. 確認しておく4つのこと
  8. 1. 雇用保険に加入しているか
  9. 2. 社会保険の手続きが済んでいるか
  10. 3. 有給は付与されているか
  11. 4. 研修費の返還条項があるか
  12. 研修費を返せと言われた場合
  13. 新入社員研修は返還請求が通りにくい類型
  14. 出社しない期間をどう埋めるか
  15. 最後の給料について
  16. 伝えるときに言いにくいこと
  17. 理由は「一身上の都合」で足りる
  18. 条件が違ったことを理由にする場合だけは別
  19. 「もう少し続けてみないか」と言われたら
  20. 次の転職への影響
  21. 誰に相談するか
  22. 依頼先を選ぶなら
  23. 先に決めるのは退職日

入社してすぐ辞めたいと思うのは、めずらしいことではありません。ただ期間が短いぶん、確認しておくことが普通の退職と少し違います。

先に結論を書きます。辞めるまでの日数は在籍期間で変わりません。入社3日でも1か月でも、申し入れから2週間です。

変わるのは、雇用保険や社会保険の手続きが済んでいるか、研修費の返還を言われるか、といった周辺の部分です。

在籍期間で変わるもの・変わらないもの

変わらない ・辞めるまでの日数(申し入れから2週間) ・退職の理由を詳しく話す義務がないこと ・働いた分の賃金が発生すること 変わる ・雇用保険の加入手続きが済んでいるか ・離職票が発行されるか ・研修費の返還を求められるか ・有給がまだ付与されていない 確認するのは下の4つ。上は考えなくてよい
短いから辞めにくい、ということはありません。

辞めるまでの日数は変わらない

期間の定めのない雇用契約について、民法第627条は次のように定めています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

——民法 第627条(e-Gov 法令検索)

在籍が何日かという条件は入っていません。入社日の翌日でも同じ扱いです。

研修期間中でも同じ

「まだ本採用ではない」と言われることがありますが、研修期間中でも労働契約は始まっています。

試用期間という名称であっても、契約が始まっていないわけではありません。日数の扱いは変わりません。

内定辞退との境目

入社日を過ぎていれば労働契約が始まっているため、退職の手続きになります。入社日より前なら内定の辞退です。

どちらにあたるかは入社日で決まります。雇用契約書の日付を確認してください。

聞いていた条件と違う場合

入社直後に辞めたくなる理由でいちばん多いのが、条件の相違です。この場合は別の条文が使えます。

前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

——労働基準法 第15条第2項(e-Gov 法令検索)

2週間を待たずに即時とされています。

入社直後に発覚しやすい相違

  • 固定残業代が含まれていることを事前に示されていなかった
  • 配属先や職種が説明と違う
  • 勤務時間や休日が求人票と違う
  • 勤務地が違い、通勤できない

示せる材料を先に集める

求人票の控え、労働条件通知書、内定通知のメール。この3つがあれば、何と何が違うのかを示せます。

入社直後は書類がまだ手元に揃っていないことがあります。渡されていない場合は、その事実自体を記録してください。

確認しておく4つのこと

1. 雇用保険に加入しているか

加入していれば離職票が発行されます。加入していなければ発行されません。

給与明細に雇用保険料の控除があるかで判断できます。まだ給与が出ていない場合は、人事に確認できます。

2. 社会保険の手続きが済んでいるか

保険証を受け取っていれば手続きは済んでいます。受け取っていない場合、健康保険の切り替え手続きの内容が変わります。

3. 有給は付与されているか

年次有給休暇は雇入れの日から6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した人に10労働日が付与されるとされています(労働基準法 第39条)。

入社1か月では、まだ付与されていないのが通常です。有給で出社しない期間を埋めることはできません。欠勤としての扱いになります。

4. 研修費の返還条項があるか

入社時に署名した書類に、返還の条項が入っていることがあります。

確認するもの どこで分かるか 分からない場合
雇用保険の加入 給与明細の控除欄 人事に確認
社会保険の加入 保険証を受け取ったか 同上
有給の付与 勤怠システム 6か月未満なら通常は未付与
研修費の返還条項 入社時の書類一式 見当たらなければ記録を残す

研修費を返せと言われた場合

入社直後の退職で最も多い請求です。労働基準法第16条は次のように定めています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

——労働基準法 第16条(e-Gov 法令検索)

あらかじめ金額を決めておく契約が禁じられています。

新入社員研修は返還請求が通りにくい類型

全員が参加し、断る余地がなく、給与も出ていたなら、業務の一部と評価されやすくなります。

入社直後の退職でこの請求が出ることは多いのですが、性質としては最も認められにくい形です。

判断の枠組みと、集めておく書類は研修費を返せと言われたにまとめています。

出社しない期間をどう埋めるか

有給が付与されていない以上、欠勤として扱ってもらうことになります。

欠勤日の賃金は発生しません。給与や賞与の計算にどう影響するかは会社の規程によります。

無断で行かないのとは違います。退職の意思を伝えたうえで、欠勤の扱いを求める形です。伝えた日付は残してください。

最後の給料について

働いた分の賃金は発生します。日割りの計算方法は会社の規程によりますが、支払われないという扱いにはなりません。

労働基準法23条は、退職の場合に権利者の請求があったときは7日以内に賃金を支払うと定めています。条文は「請求があった場合」としているので、振り込まれないときは請求してください。

伝えるときに言いにくいこと

在籍が短いほど、理由を詳しく聞かれます。答え方を決めておくと短く終わります。

理由は「一身上の都合」で足りる

短期間で辞めることに説明を求められても、詳しく話す義務はありません。民法627条は理由を要件にしていません。

条件が違ったことを理由にする場合だけは別

労基法15条2項を使うなら、何が違ったのかを伝える必要があります。その場合だけは具体的に言ってください。

「もう少し続けてみないか」と言われたら

説得であって、手続きを止める効力はありません。判断が揺れるなら、その場で返事をせず日を改めて伝えてください。

次の転職への影響

履歴書に書くのは会社名と在籍期間です。辞め方を書く欄はありません。

雇用保険に加入していれば記録は残りますが、在籍期間そのものより、そこで何があったかを説明できるかが見られます。

条件が違ったことが理由なら、その事実を説明できる材料を残しておいてください。

誰に相談するか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

条件の相違を主張する、研修費の返還を争う、といった場面では会社と話す必要が出ます。争うことが何もないなら、伝えるところまでで足ります。

判断がつかない場合は総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。

依頼先を選ぶなら

在籍が短いぶん、有給の交渉も未払いの請求も発生しないことが多くあります。その場合はいちばん左で足ります。

返還を請求されているなら、金銭の話になるので右寄りの選択になります。

争っていない場合の料金を見てみる

先に決めるのは退職日

在籍が短くても手順は同じです。退職日を1つ決めることから始めてください。

伝えるまでの段取りは退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。

よくある質問

入社3日で辞めると、給料はもらえますか。

働いた日数分の賃金は発生します。日割りの計算方法は会社の規程によりますが、支払われないという扱いにはなりません。労働基準法23条は、退職の場合に権利者の請求があったときは7日以内に賃金を支払うと定めています。振り込まれない場合は請求してください。

短期間で辞めたことは次の会社に分かりますか。

雇用保険に加入していれば記録は残ります。ただし在籍期間そのものより、そこで何があったかを説明できるかが見られます。履歴書に書くのは会社名と在籍期間で、辞め方を書く欄はありません。

社会保険の手続きがまだ済んでいないようです。

手続きが済んでいないと、離職票が発行されないことがあります。加入していたかどうかは、給与明細に社会保険料の控除があるか、保険証を受け取ったかで確認できます。受け取っていない場合は、その事実を記録しておいてください。

内定を辞退するのと、入社後に辞めるのは違いますか。

入社日を過ぎていれば労働契約が始まっているため、退職の手続きになります。入社日より前であれば内定の辞退です。どちらにあたるかは入社日で決まるので、雇用契約書の日付を確認してください。

研修期間中なので、まだ本採用ではないと言われました。

研修期間中でも労働契約は始まっています。試用期間という名称であっても、契約が始まっていないわけではありません。本採用かどうかで辞めるまでの日数が変わることはありません。

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