目次
- 結論|この3つのどれかで足ります
- 主要サービスの料金を公式サイトで確認して並べた
- この表から読み取れること
- 総額では順位が入れ替わる
- 自分に当てはまる条件で絞る
- 会社と争ってはいない場合
- 有給・退職日・未払いがある場合
- 損害賠償や訴訟の話が出ている場合
- 手元にお金がない場合
- 民間は伝えるまで、労働組合は話し合いまで、弁護士は請求まで
- 民間企業が運営する場合
- 労働組合が運営する場合
- 弁護士が運営する場合
- 料金から比べると失敗する。先に決めるのは運営主体
- 主体が決まったら、この5項目だけ見ればいい
- 1. 運営主体
- 2. 料金の総額
- 3. 支払いのタイミング
- 4. 対応できない範囲
- 5. 連絡が取れる時間
- 料金は「いくら」より「何で変わるか」を見る
- 料金表で見落としやすい構造
- 名前をよく見かけるサービスの運営主体
- 「労働組合と提携」の表示は変わることがある
- Jobsは加入するかどうかで変わる
- 申し込む前に決めておくと、やり取りが1往復で済む3つ
- 退職日
- 会社に伝えてほしくないこと
- 貸与品と私物の扱い
- 自分で伝えれば費用はかからない。それでも代行を選ぶ理由
- 申し込んだ当日から退職まで、実際に起きること
- 申し込みと打ち合わせ
- 会社への連絡
- 退職日までの期間
- 書類と貸与品のやりとり
- 代行がやってくれないこと(辞めたあとの手続きは自分でやる)
- いちばん多い失敗は「範囲が足りないサービスを選ぶ」こと
- 範囲が足りていないサービスを選ぶ
- 総額を見ていない
- 連絡が取れない時間に動こうとする
- 会社に伝えてほしくないことを共有していない
- 会社が拒否したら?転職先にバレる?——条文で答えます
- 会社が拒否したらどうなるのか
- 次の勤務先に伝わるのか
- 依頼する前に、無料で相談できる公的な窓口がある
- まとめ|主体が先、料金が後
- まだ決められないなら、退職日を1つ決めるところから
退職代行を比べ始めると、どのサイトも似たような順位表が並んでいて、結局どれを選べばよいのか分からなくなります。
理由があります。退職代行はサービス間で「やること」の差が小さい分野だからです。会社に退職の意思を伝える、という中心の作業はどこも同じです。
差が出るのは、会社に対してどこまで言えるかです。そしてそれは運営主体で決まります。
| 依頼先 | 退職の意思を会社に伝える | 有給・退職日・未払い賃金の話し合い | 損害賠償の請求や訴訟への対応 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 対応できる | 対応できる | 対応できる |
| 労働組合 | 対応できる | 団体交渉として対応できる | 対応範囲外 |
| 民間企業 | 対応できる | 対応範囲外 | 対応範囲外 |
労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法/弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)
結論|この3つのどれかで足ります
会社と争っていることがあるかどうかで、次のように分かれます。当てはまるものが1つだけ見つかるはずです。
このあと、主要サービスの料金を並べた表と、選ぶときに見る項目を順に説明します。先に自分の条件を確かめたい方は、そのまま読み進めてください。
主要サービスの料金を公式サイトで確認して並べた
比較記事でよく名前が挙がるサービスを、当サイトで扱っているかどうかに関係なく並べました。料金はすべて各社の公式サイトの表示です(2026年8月4日確認・税込)。
| サービス | 運営主体 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| モームリ | 労働組合 | 12,000円〜 | 後払いは手数料3,000円が加算 |
| EXIT | 民間企業 | 15,000円 | 弁護士監修と表示 |
| 男の退職代行 | 労働組合 | 21,800円 +組合費1,000円 | アルバイト・パートは18,800円 |
| 辞スル | 民間企業 | 22,000円 | 正社員・契約社員・派遣社員 |
| SARABA | 労働組合 | 24,000円 | 追加料金なしと表示 |
| 退職代行ガイア | 弁護士法人 | 25,300円〜 | プラン選択制 |
| 退職代行OITOMA | 労働組合 | 20,000円 | 後払いは手数料9,000円が加算 |
| 退職代行ニコイチ | 民間企業 | 27,000円 | 雇用形態を問わず一律 |
| 退職代行Jobs | 民間企業+労働組合 | 27,000円(組合に入ると29,000円) | 組合加入は任意。後払い可 |
| 弁護士法人みやび | 弁護士法人 | 27,500〜77,000円 | プランにより変動 |
この表から読み取れること
料金の幅は12,000円から77,000円まであります。ただし並べ替えると、値段の差は運営主体の差とほぼ重なります。
- 民間企業 … 15,000〜22,000円
- 労働組合 … 12,000〜24,000円(+組合費が別のところがある)
- 弁護士 … 25,300円〜
労働組合と民間で価格帯が重なっている点が重要です。同じくらいの金額でも、労働組合なら有給や未払いの話し合いができ、民間ならできません。
つまり金額だけを見て選ぶと、同じ支出で対応範囲が狭いほうを選んでしまうことがあります。
総額では順位が入れ替わる
表の金額をそのまま比べると、いちばん安いのはモームリです。ただし後払いにすると手数料3,000円が乗り、15,000円になります。
男の退職代行も、組合費1,000円を足すと22,800円になり、辞スルの22,000円を上回ります。
安さで選ぶ場合ほど、表示価格ではなく総額で見てください。
自分に当てはまる条件で絞る
会社と争ってはいない場合
引き止められるのが怖いだけ、もう出社したくないだけ、という状況が実はいちばん多くあります。
この場合、退職代行がすることは「自分では言い出せない一言を、代わりに届けること」です。民法第627条により、申し入れが会社に届いて2週間経てば契約は終わります。会社の同意は要件になっていません。
ここに法律上の争いは起きないので、民間企業で足ります。
有給・退職日・未払いがある場合
有給を消化してから辞めたい、退職日を動かしたい、未払いの残業代がある。これらは相手のある話し合いです。
労働組合法第6条は、労働組合の代表者や委任を受けた者が使用者と交渉する権限を有すると定めています。労働組合が運営する退職代行は、この規定を根拠にしています。
有給の残日数は給与明細で確認できます。残っていないなら、この列に進む必要はありません。
損害賠償や訴訟の話が出ている場合
「訴える」「損害賠償を請求する」と言われている、懲戒解雇をほのめかされている、という段階では弁護士以外に選択肢がありません。
弁護士法第72条により、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは禁じられています。民間企業や労働組合では対応範囲外です。
手元にお金がない場合
支払いのタイミングによって、選べる依頼先が変わります。給料日まで余裕がない状況では、料金の額よりもいつ払うのかのほうが効きます。
民間は伝えるまで、労働組合は話し合いまで、弁護士は請求まで
3つの主体について、もう少し細かく見ます。「向いていない人」も併せて書きます。
民間企業が運営する場合
会社に退職の意思を伝え、必要な事務連絡を取り次ぐところまでが対応範囲とされています。
争点がなければ、これで手続きは完了します。実際、退職の大半は争いになりません。
向いていないのは、有給の消化を会社に断られる可能性がある人です。断られたときに「では交渉します」と進めないためです。
労働組合が運営する場合
団体交渉として会社と話せる立場にあるとされています。有給の消化、退職日の調整、未払い分の扱いといった話し合いが対応範囲に入ります。
依頼にあたって組合への加入手続きを求められるのが一般的です。これは手続き上の要件であって、加入すると継続的な義務が生じるのかどうかは会社によって扱いが違います。申し込み前に確認してください。
向いていないのは、訴訟を視野に入れている人です。団体交渉の枠を超える手続きは範囲の外になります。
弁護士が運営する場合
代理人として、交渉から請求、訴訟までを扱えるとされています。損害賠償を請求された、懲戒解雇を通告された、といった場面で選択肢になります。
向いていないのは、争うことが何もない人です。使わない範囲に料金を払うことになります。
| 主体 | できるとされる範囲 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 民間企業 | 退職の意思を伝える・事務連絡 | 有給の消化を断られる可能性がある人 |
| 労働組合 | 上記+団体交渉としての話し合い | 訴訟まで視野に入れている人 |
| 弁護士 | 上記+請求・訴訟の代理 | 争うことが何もない人 |
料金から比べると失敗する。先に決めるのは運営主体
比べる順番
料金表を横に並べるところから始めたくなりますが、それは順番が逆です。範囲が足りていないサービスは、いくら安くても候補になりません。
主体が決まったら、この5項目だけ見ればいい
依頼先の主体が決まったら、同じ主体の中で比べます。料金表だけでは分からない項目があります。
1. 運営主体
会社概要のページで、運営が弁護士法人なのか、労働組合なのか、株式会社なのかを確認します。サービス名からは分かりません。
2. 料金の総額
労働組合の場合、組合費や加入金が料金と別になっていることがあります。「一律◯◯円」と書かれていても、総額でいくらになるのかを見てください。
3. 支払いのタイミング
依頼の前に支払うのか、後払いに対応しているのか。手元にお金がない場合はここで選択肢が絞られます。
4. 対応できない範囲
交渉ができないサービスは、その旨が書かれているのが普通です。書かれていないサービスほど、注意して読んでください。
5. 連絡が取れる時間
出社の前に連絡したい場合、受付時間が合うかどうかを見ます。深夜・早朝に動きたい人にはここが実務上いちばん効きます。
| 確認項目 | どこを見るか | 見落とすとどうなるか |
|---|---|---|
| 運営主体 | 会社概要・運営者情報 | 交渉できない先に交渉を頼むことになる |
| 料金の総額 | 料金ページ・注記の小さい文字 | 組合費や追加費用が後から出る |
| 支払いのタイミング | 申し込みの流れ | 手元にお金がなく進められない |
| 対応できない範囲 | よくある質問・注意事項 | 断られた時点で手詰まりになる |
| 連絡が取れる時間 | 問い合わせページ | 動きたい時間に連絡がつかない |
料金は「いくら」より「何で変わるか」を見る
上の表に載せた金額は、各社の公式サイトの表示を確認したものです。確認できていない数字を「相場」として書くことはしません。
金額そのものより先に見るべきなのは、弁護士に頼むと料金が上がるという関係です。対応できる範囲が広いことの裏返しなので、争うことが何もない人にとっては割高になります。
ただし上の表のとおり、労働組合と民間の価格帯は重なっています。「主体が上がるほど高い」は単純な階段にはなっていません。だからこそ総額で見る必要があります。
料金表で見落としやすい構造
金額そのものより、料金が何によって変わるかを見たほうが実態に近づきます。確認すべきなのは次の3点です。
- 雇用形態で変わるか — 正社員とアルバイトで料金が違う会社と、一律の会社があります
- 基本料金以外に発生しうる項目があるか — 労働組合の組合費、書類の郵送費など
- 追加の請求が生じる条件 — 会社が交渉を求めてきた場合など、想定外の展開になったときの扱い
「返金保証」と書かれている場合も、どういう条件で返金されるのかまで読んでください。退職できなかった場合に限るのか、依頼者の都合で取りやめた場合も含むのかで、意味がまったく違います。
名前をよく見かけるサービスの運営主体
比較サイトで名前が挙がるものを、運営主体で分類しました。サービス名からは主体が分からないため、ここで確認できます。
| 運営主体 | サービス |
|---|---|
| 弁護士法人 | 退職代行ガイア/弁護士法人みやび |
| 労働組合 | 男の退職代行/わたしNEXT/退職代行OITOMA/モームリ/SARABA/退職代行ガーディアン |
| 民間企業 | 辞スル/EXIT/即ヤメ/退職代行ネルサポ/退職代行ニコイチ |
| 民間企業+労働組合 | 退職代行Jobs(組合加入は任意) |
同じ運営会社が複数のサービスを出していることもあります。即ヤメと退職代行ネルサポは、どちらもネルサポート株式会社です。名前が違っても主体が同じなら、比べる意味があるのは料金と支払い方法だけになります。
「労働組合と提携」の表示は変わることがある
退職代行ネルサポの公式サイトは、以前は合同労働組合の名前を載せていましたが、2026年8月4日の時点では表示から外れています。
比較記事が古い情報のまま「労働組合が運営」と書いていることがあります。対応範囲に直結する部分なので、申し込み前に公式サイトの会社概要と特定商取引法に基づく表記を見てください。
Jobsは加入するかどうかで変わる
公式サイトは「組合加入は任意」と表示しています。組合に入らないプランを選ぶと、団体交渉の枠組みからは外れる形になります。
金額だけを見て安いほうを選ぶと、有給の話し合いが必要になったときに範囲が足りません。
男の退職代行とわたしNEXTは、同じ労働組合が男性向け・女性向けとして案内を分けているものです。対応できる範囲は同じなので、案内の分かれ方で選んで構いません。
申し込む前に決めておくと、やり取りが1往復で済む3つ
依頼したあとに慌てないよう、先に決めておくと進みが速くなります。
退職日
有給の残日数を確認し、最短の退職日を出しておきます。依頼先に伝える最初の情報がこれになります。
残日数は給与明細に記載されていることが多く、分からなければ勤怠システムで確認できます。
会社に伝えてほしくないこと
転職先が決まっている場合、その社名を伝える必要はありません。何を伝え、何を伝えないかは自分で決められます。
依頼先に「これは伝えないでほしい」と先に共有しておいてください。
貸与品と私物の扱い
制服・パソコン・社員証・鍵などを、郵送で返すのか持参するのか。ロッカーの私物を送ってもらうのか取りに行くのか。
退職日を過ぎてから調整を始めると、そのぶん 関わる期間が延びます。
自分で伝えれば費用はかからない。それでも代行を選ぶ理由
代行を使わずに済むなら、それに越したことはありません。費用がかからないためです。
| 自分で伝える | 退職代行に依頼する | |
|---|---|---|
| 費用 | かからない(郵送費のみ) | 依頼先による |
| 会社との連絡 | 自分で対応する | 依頼先が窓口になる |
| 出社 | 郵送なら不要 | 不要 |
| 向いている状況 | 引き止めに対応できる | 連絡が来ること自体が負担 |
退職届を配達の記録が残る方法で送れば、届いた日付が残ります。出社せずに手続きを始めることもできます。
代行を選ぶ判断になるのは、連絡そのものが負担になっている場合です。会社からの電話を取りたくない、家に来られたくない、という状況では、間に入る相手がいることに意味があります。
金額だけを見れば自分で伝えるほうが安いので、そこを隠さずに書いておきます。
申し込んだ当日から退職まで、実際に起きること
サービスによって細部は違いますが、流れの骨格は共通しています。何が起きるか分かっていると、決めやすくなります。
申し込みと打ち合わせ
依頼先に状況を伝えます。勤務先の名称、雇用形態、退職希望日、有給の残日数、伝えてほしくないことなどです。
ここで自分の状況が「争いのある案件」だと分かることがあります。その場合、対応範囲外だとして断られることもあります。断られたら主体を上げて選び直します。
会社への連絡
依頼先から会社へ連絡が入ります。連絡が入る日時は事前に決められるのが一般的です。
このとき、あなたが会社と直接やり取りしないで済むかどうかは、依頼先が会社にどこまで言えるかで決まります。民間企業に依頼している場合、会社が交渉を持ちかけてきたら、その部分は範囲の外になります。
退職日までの期間
期間の定めのない契約なら、申し入れが会社に届いてから2週間で契約が終わります。この間、有給を使うか、欠勤として扱ってもらうかで出社しない形にするのが一般的です。
有給が残っていない場合の欠勤の扱いは会社の規程によります。給与や賞与にどう影響するかは、就業規則を先に確認してください。
書類と貸与品のやりとり
離職票、源泉徴収票、健康保険の資格喪失証明書などが会社から送られてきます。貸与品は郵送で返すのが一般的です。
ここで連絡が滞ることがあります。書類が届かない状態が続く場合は、ハローワークや労働基準監督署に相談できます。
代行がやってくれないこと(辞めたあとの手続きは自分でやる)
代行に依頼するかどうかに関わらず、辞めたあとには手続きが残ります。依頼先がやってくれる範囲ではありません。
| いつ | 何を | どこで |
|---|---|---|
| 退職後すぐ | 健康保険の切り替え(任意継続・国民健康保険・扶養) | 協会けんぽ/市区町村/家族の勤務先 |
| 退職後すぐ | 年金の切り替え | 市区町村の窓口 |
| 離職票が届いたら | 失業給付の手続き | ハローワーク |
| 翌年 | 住民税・確定申告 | 市区町村/税務署 |
任意継続には期限があります。退職後に慌てないよう、健康保険をどうするかだけは辞める前に決めておくと安全です。
窓口の一覧は公的な相談窓口の一覧にまとめています。
いちばん多い失敗は「範囲が足りないサービスを選ぶ」こと
範囲が足りていないサービスを選ぶ
いちばん多い失敗です。安さで選んだ結果、有給の消化を会社に断られた時点で進めなくなります。
先に自分の状況を確定させてください。有給が残っているかどうかは、依頼前に調べられます。
総額を見ていない
「一律◯◯円」と書かれていても、労働組合の場合は組合費や加入金が別のことがあります。申し込みの画面まで進んで初めて総額が分かることもあります。
連絡が取れない時間に動こうとする
深夜や早朝に決心する人は多いのですが、受付時間が合わないと翌日まで動けません。受付時間は申し込み前に確認できます。
会社に伝えてほしくないことを共有していない
転職先の社名や、体調のことなど、伝えたくない情報がある場合は先に共有しておきます。依頼したあとでは間に合わないことがあります。
会社が拒否したら?転職先にバレる?——条文で答えます
料金や範囲の前に、そもそも使ってよいのかで止まっている方が多くいます。条文で答えられる範囲を書いておきます。
会社が拒否したらどうなるのか
期間の定めのない契約では、民法第627条により申し入れから2週間で契約が終わるとされています。会社の同意は要件になっていません。
会社が返事をしないこと自体で退職が止まるわけではありません。ただし離職票が届かない、貸与品の返却手順が決まらないといった実務が滞ることはあります。その場合は公的な窓口に相談できます。
次の勤務先に伝わるのか
前の勤務先が退職の経緯を次の勤務先へ伝える義務はありません。加えて、労働基準法第22条第4項は次のように定めています。
使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第一項及び第二項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。
——労働基準法 第22条第4項(e-Gov 法令検索)
就業を妨げる目的で第三者と通信することが禁じられています。「前の会社が転職先に何か言うのではないか」という不安に対しては、この条文が答えになります。
同じ第22条の第3項では、退職時の証明書に労働者が請求しない事項を記入してはならないとも定めています。退職の理由を書かれたくない場合、請求する項目を自分で指定できるということです。
ただし離職票の離職理由の欄は失業給付の手続きで使うため、記載内容は自分で確認しておいてください。
依頼する前に、無料で相談できる公的な窓口がある
自分の状況が「話し合いが必要」なのかどうかの判断がつかない場合、公的な窓口に無料で相談できます。
- 労働問題全般 … 総合労働相談コーナー
- 賃金の未払い・労働時間 … 労働基準監督署
- 夜間や休日しか動けない … 労働条件相談ほっとライン
- 弁護士費用が心配 … 法テラス
窓口の一覧と連絡先は公的な相談窓口の一覧にまとめています。
範囲がはっきりしてから依頼先を選ぶほうが、結果的に安く済みます。
まとめ|主体が先、料金が後
比べる順番は、主体が先で料金が後です。範囲が足りていないサービスは、安くても候補になりません。
自分がどの列にいるかは、会社と争っていることがあるかどうかで決まります。争っていないなら、いちばん手前で足ります。
判断がつかない部分は、依頼する前に無料の窓口で確かめられます。
まだ決められないなら、退職日を1つ決めるところから
依頼先を決める前に、退職日を1つ決めてください。有給の残日数が分かれば、最短の退職日は自動的に決まります。
日付が決まると、必要な範囲も決まります。手順は辞めたいのに言えないときにまとめています。
よくある質問
いちばん安いサービスを選べばよいのではないですか。
対応できる範囲が足りていれば、その考え方で問題ありません。ただし有給の交渉や未払いの請求が必要な状況で、伝えるだけのサービスを選ぶと、会社に断られた時点で手詰まりになります。範囲が足りているかを先に確かめてから、同じ範囲の中で料金を比べてください。
大手のほうが安心ですか。
知名度と対応できる範囲は別の話です。民間企業である以上、規模が大きくても会社と交渉できる立場になるわけではありません。逆に、規模が小さくても労働組合であれば団体交渉として話せるとされています。見るべきなのは運営主体です。
労働組合が運営していると、必ず組合に入ることになりますか。
労働組合法第6条は交渉の権限を「労働組合又は組合員のために」としているため、組合員である必要があります。加入手続きを求められるのが一般的です。加入金や組合費が料金に含まれるかは会社ごとに違うので、総額で確認してください。
相談だけして、依頼しないこともできますか。
多くのサービスが申し込み前の問い合わせを受け付けていますが、無料かどうか、どこまで答えてもらえるかは会社によって違います。無料で相談できる公的な窓口もあるので、範囲の判断がつかない段階ではそちらを先に使う選択もあります。
ここに出ていないサービスを見つけました。どう判断すればよいですか。
同じ5項目(運営主体・料金の総額・支払いのタイミング・対応できない範囲・連絡が取れる時間)で確認してください。とくに運営主体は会社概要のページに書かれています。サービス名や広告の印象では判断できないため、そこだけは必ず見てください。
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