退職代行を使う人はどれくらいいるのか|利用率を出せない理由

カテゴリ: 揉めてはいない

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目次
  1. 分母|1年間に何人が辞めているか
  2. 約719万人が1年で辞めている
  3. パートタイムの離職率は高い
  4. 女性のほうが高い
  5. 辞める理由の内訳
  6. 個人的理由に含まれるもの
  7. 事業所側の理由に含まれるもの
  8. この区分と離職票の区分は別
  9. 分子|各社が公表している実績
  10. 数万件の規模で運営されている
  11. 足し算が成り立たない理由
  12. 理由1|同じ数字が2か所に出ている
  13. 理由2|定義が違う
  14. 理由3|期間がそろわない
  15. だから推計値も作らない
  16. 公的統計に載っていない
  17. 捕捉する仕組みが無い
  18. 使ったことは記録に残らない
  19. 年ごとの動きも見ておく
  20. 離職率は下がっている
  21. 辞める人が減ると何が変わるか
  22. 個人的理由も下がっている
  23. 数字は毎年更新される
  24. 「利用率◯%」を見たときの確認方法
  25. 1. 調査の主体を見る
  26. 2. サンプル数と時期を見る
  27. 3. 分母を見る
  28. 4. 出典のリンクをたどる
  29. 読者にとっての意味
  30. 率は分からないが、規模は分かる
  31. 珍しい選択肢ではない
  32. 判断は率ではなく状況で決める
  33. 誰に頼めるか
  34. 依頼先を選ぶなら
  35. 出せない数字は出さない

「利用者は◯%」という数字を見かけますが、根拠を確認すると出てきません。

このページでは、実際に取れた数字だけを並べます。そのうえで、なぜ利用率を計算できないのかを示します。

なぜ割り算ができないのか

分母は取れる 令和6年の離職者数 7,195.3千人 分子が作れない 「相談実績」「累計」「実績数」で定義が違う 同じ組合の2ブランドが同じ数字を掲げている だから利用率という数字は出せない 出せるのは規模と、公表されている実績まで 推計値を作ることもしない 足し合わせた時点で二重計上になるため
数字が無いのではなく、割り算が成り立ちません。

分母|1年間に何人が辞めているか

厚生労働省の令和6年雇用動向調査の結果です。

項目 令和6年(2024年)
離職者数 7,195.3千人
入職者数 7,473.7千人
離職率 14.2%
一般労働者の離職者数 4,231.7千人
パートタイム労働者の離職者数 2,963.6千人

約719万人が1年で辞めている

離職率は年初の常用労働者数に対する割合です。14.2%は、前年と比べて1.2ポイント低下しています。

パートタイムの離職率は高い

一般労働者の離職率が11.5%、パートタイム労働者が21.4%です。働き方によって差があります。

パート・アルバイトの辞め方はパート・アルバイトが辞めたいにまとめています。

女性のほうが高い

男性の離職率が12.6%、女性が16.0%です。

辞める理由の内訳

同じ調査の離職理由別の離職率です。

理由 離職率
個人的理由 10.7%
事業所側の理由 0.8%

個人的理由に含まれるもの

結婚、出産・育児、介護・看護、その他の個人的理由の合計です。

事業所側の理由に含まれるもの

経営上の都合、出向、出向元への復帰の合計です。

この区分と離職票の区分は別

調査上の分類であって、失業給付の自己都合・会社都合の区分とは別のものです。

給付の区分は会社都合になる条件は省令に並んでいるにまとめています。

分子|各社が公表している実績

2026年8月4日時点で、各社の公式サイトに表示されていた数字です。

サービス 表示されている数字 何を数えたものか
退職代行Jobs 相談実績 60,000人突破 相談の件数
わたしNEXT 6万件以上の実績数 定義の記載なし
男の退職代行 6万件以上の実績数 定義の記載なし
退職代行ニコイチ 累計 68,343人以上 創業からの累計

数万件の規模で運営されている

ここまでは公表されている事実です。複数の事業者がこの規模の実績を掲げています。

足し算が成り立たない理由

理由1|同じ数字が2か所に出ている

わたしNEXTと男の退職代行は、どちらも「6万件以上の実績数」と表示しています。

この2つは同じ toNEXTユニオンが運営しています。業界No.1の注記も「2023年5月の利用者数調査により当労働組合全体で業界利用者シェア1位」と書かれており、ブランド単位ではなく組合単位の数字です。

足すと同じ人を2回数えることになります。

理由2|定義が違う

「相談実績」は、相談だけで終わった人も含みます。実際に依頼した人の数ではありません。

「累計」は創業からの合計です。ニコイチは創業17年と表示しているため、年間の数字ではありません。

「実績数」は、何を実績としたかが書かれていません。

理由3|期間がそろわない

年間の離職者数を分母にするなら、分子も年間でなければ比較になりません。累計を分母で割った数字には意味がありません。

だから推計値も作らない

このサイトでは、各社の数字を足し合わせた独自の推計を作りません。上の3点により、作った時点で誤りになります。

公的統計に載っていない

雇用動向調査は、離職者数と離職理由を集計しています。ただし退職をどう伝えたかは調査項目になっていません。

捕捉する仕組みが無い

雇用動向調査は事業所を対象に調査するもので、退職の申し出をどう行ったかは調査票の項目に入っていません。会社が行政に出す書類にも、その欄はありません。

このため、行政の側でも件数を把握できない構造になっています。

使ったことは記録に残らない

読者にとっては、この構造がそのまま「使っても経歴に残らない」という意味になります。

デメリットの整理は退職代行のデメリットにまとめています。

年ごとの動きも見ておく

離職率は下がっている

令和6年の離職率14.2%は、前年と比べて1.2ポイント低下しています。入職率も1.6ポイント低下し、入職超過率は0.4ポイント縮小しました。

辞める人が減ると何が変わるか

人が抜けにくい状況では、引き止めが強くなる職場が出てきます。人手不足を理由に止められる場合の扱いは人手不足を理由に辞めさせてもらえないにまとめています。

個人的理由も下がっている

「個人的理由」による離職率10.7%は、前年比0.7ポイントの低下です。男性が8.8%、女性が12.9%で、どちらも低下しています。

数字は毎年更新される

雇用動向調査は毎年公表されます。このページの数字は令和6年分です。最新の数値は厚生労働省のページで確認してください。

「利用率◯%」を見たときの確認方法

1. 調査の主体を見る

誰が調べたか。事業者が自社の顧客に聞いたものか、第三者の調査か。

2. サンプル数と時期を見る

何人に聞いた、いつの調査か。書かれていなければ、数字の意味が読み取れません。

3. 分母を見る

離職者全体か、転職経験者か、特定の年代か。分母が変われば率は大きく動きます。

4. 出典のリンクをたどる

たどれない場合、その数字は使わないほうが安全です。

読者にとっての意味

率は分からないが、規模は分かる

年間で719万人が辞めています。そのうち何割が代行を使ったかは出せませんが、数万件規模の実績を掲げる事業者が複数あることは公表されています。

珍しい選択肢ではない

「自分だけが使うのでは」という不安に対しては、ここまでが答えになります。

判断は率ではなく状況で決める

多くの人が使っているかどうかより、自分が争っている条件があるかどうかで決まります。

判断の枠組みは退職代行とはにまとめています。

誰に頼めるか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

争っていることが何もないなら、伝えるところまでの範囲で足ります。

有給を断られている、未払いがある。ここからは扱える相手が変わります。

判断がつかない場合は総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。

依頼先を選ぶなら

実績数の大きさで選ぶより、自分の状況で必要な範囲が扱えるかを先に見てください。

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

自分の状況で足りる範囲を見てみる

出せない数字は出さない

このページで利用率を書かなかったのは、根拠が無いからです。

離職者が年間719万人という規模と、各社が公表している実績。確認できたのはここまでです。

よくある質問

退職代行を使う人は何割くらいですか。

割合を示せる公的な調査は見当たりません。厚生労働省の雇用動向調査は離職者数と離職率を集計していますが、退職の方法までは調査していません。比率を出している記事は、根拠として何を使っているかを確認してください。

年間で何人が辞めているのですか。

厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、令和6年1年間の離職者数は7,195.3千人、離職率は14.2%です。一般労働者が4,231.7千人、パートタイム労働者が2,963.6千人です。

各社の実績数を足せば分かりませんか。

成り立ちません。定義が「相談実績」「累計」「実績数」とばらばらで、対象期間も違います。さらに同じ運営主体が複数のブランドで同じ数字を掲げているため、足すと二重に数えることになります。

自分だけが使うのではと不安です。

複数の事業者がそれぞれ数万件規模の実績を公表しています。正確な比率は出せませんが、珍しい選択肢ではない規模の市場が成り立っていることは、公表されている数字から読み取れます。

自己都合で辞める人は多いのですか。

同調査の離職理由別の離職率では、令和6年の「個人的理由」が10.7%、「事業所側の理由」が0.8%です。個人的理由には結婚、出産・育児、介護・看護、その他の個人的理由が含まれます。

料金と対応範囲を見てから決められます

公式サイトで料金と対応範囲を見る