人手不足・繁忙期を理由に辞めさせてもらえない|条件にはならない

カテゴリ: 揉めてはいない

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目次
  1. 条件にはならない理由
  2. 人員の補充は会社が行うこと
  3. 期間の定めがなければ2週間
  4. 就業規則の日数との関係
  5. 話を動かす順番
  6. 1. 日付を先に置く
  7. 2. 引き継ぎの範囲を書き出す
  8. 3. 期日を確定させる
  9. 4. メールで残す
  10. それでも動かない場合
  11. 何度も同じ話になる
  12. 退職届を受け取ってもらえない
  13. 損害賠償をほのめかされた
  14. 有給を断られた場合
  15. 時季変更権には限界がある
  16. やること
  17. 応じられない場合
  18. 少人数の職場の場合
  19. 断りにくさが違う
  20. 感情と手続きを分ける
  21. 一度断られている場合
  22. 退職日までの働き方
  23. 残業が増える場合
  24. 有給の消化日程を先に確定させる
  25. 最終日の業務を詰め込まない
  26. 体調が持たない場合
  27. 職種によって言われ方が変わる
  28. 交代制の職場
  29. 資格が必要な職場
  30. 少人数の事業所
  31. 誰に頼めるか
  32. 依頼先を選ぶなら
  33. 待つ理由を日付に変える

人がいないから、もう少し待ってほしい。そう言われると、断りにくくなります。

ただ、この引き止め方には期限がありません。人員が埋まる保証もなく、繁忙期は毎年来ます。応じ続けると、辞める話が数年動かないことがあります。

先に整理します。人員が足りているかどうかを退職の条件にする定めはありません。

なぜ動かなくなるのか

「落ち着いたら」 期日がない。判断するのは会社 次の繁忙期が来る 同じ理由がもう一度使える 日付を置く 「◯月◯日で退職します」から始める 議題を「辞めるかどうか」から 「何を引き継ぐか」に変える
期日のない了承をすると、そこで止まります。

条件にはならない理由

人員の補充は会社が行うこと

誰を採用し、どこに配置するかは会社が決めています。その結果として人が足りていない状態を、辞める側が引き受ける義務はありません。

後任を探す義務を定めた条文もありません。

期間の定めがなければ2週間

民法第627条は、期間の定めのない雇用について、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了すると定めています。

会社の状況によってこの期間が延びるという定めはありません。

就業規則の日数との関係

「3か月前までに申し出ること」といった定めが置かれていることがあります。この日数と条文の関係は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。

話を動かす順番

1. 日付を先に置く

「辞めさせてください」ではなく「◯月◯日で退職します」と伝えてください。

議題が「辞めるかどうか」から「その日までに何をするか」に変わります。これだけで話の中身が変わります。

2. 引き継ぎの範囲を書き出す

紙1枚で足ります。担当している業務と、それぞれ誰に渡すかの案を並べてください。

書く項目
業務名 月次の請求処理
頻度 毎月末
渡す相手の案 ◯◯さん(同じ課で経験あり)
必要な期間 2回同席すれば足りる

会社が反論する材料が減ります。「引き継ぎができていない」という理由が使えなくなるためです。

3. 期日を確定させる

「落ち着いたら」に応じる場合も、日付を決めてください。

ご事情は理解しました。それでは◯月◯日を退職日として進めさせていただきます。

期間を延ばすこと自体が問題なのではなく、期日がないことが問題です。

4. メールで残す

面談で決まった内容をその日のうちにメールで送ってください。口頭のやり取りは、後から食い違います。

それでも動かない場合

何度も同じ話になる

面談が繰り返される、そのたびに「もう少し」と言われる。この段階になったら、書面でのやり取りに切り替えてください。

引き止めのパターン別の扱いは引き止められて辞められないにまとめています。

退職届を受け取ってもらえない

受理は起点ではありません。記録の残る方法で郵送すれば、届いたことを示せます。

損害賠償をほのめかされた

労働基準法第16条は次のように定めています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

——労働基準法 第16条(e-Gov 法令検索)

あらかじめ金額を決めておく契約はこの条文の問題になります。人手が足りないことと損害の額は別なので、どの業務の何を損害と呼んでいるのかまで聞いて控えてください。

有給を断られた場合

人手不足を理由に有給の消化を断られることがあります。

時季変更権には限界がある

使用者には請求された時季を変更する権利がありますが、退職日より後に変更することはできないとされています。退職日を越えて先に送る余地がないためです。

やること

  1. 残日数を給与明細か勤怠システムで確認する
  2. 希望する消化日程を書面で伝える
  3. 回答を記録する

逆算の手順は有給を全部使ってから辞めるにまとめています。

応じられない場合

明細と、断られたやり取りを持って労働基準監督署に相談できます。

少人数の職場の場合

断りにくさが違う

数人しかいない職場では、辞めることが直接誰かの負担になります。正論が通じないのではなく、言いにくいだけという状態です。

感情と手続きを分ける

申し訳ないと思うことと、辞められないことは別です。引き継ぎの資料を残すところまでで足ります。

一度断られている場合

前に伝えて流された経験があると、次を切り出しにくくなります。この場合は書面で日付を明示するほうが進みます。

文面の作り方はメール・LINEで退職を伝えてよいかにまとめています。

退職日までの働き方

日付が決まったあと、業務量が減らないまま最終日を迎えることがあります。

残業が増える場合

引き継ぎのために時間外労働が増えるなら、その分の割増賃金は発生します。退職が決まっていることで扱いが変わるものではありません。

勤務時間の記録は自分でも残しておいてください。最後の給料の明細と突き合わせる材料になります。

有給の消化日程を先に確定させる

引き継ぎを優先していると、消化する日が後ろに押し出されます。退職日から逆算して、消化する日を先にカレンダーに置いてください。

最終日の業務を詰め込まない

最終日に返却や書類の受け渡しが重なると、その日に片付かず、退職後もやり取りが続きます。

貸与品の返し方は制服・貸与品を会社に行かずに返すにまとめています。

体調が持たない場合

無理に最終日まで出勤する義務はありません。有給が残っているなら、そこに充てられます。

診断書が出ている場合は、その旨を書面で伝えてください。

職種によって言われ方が変わる

同じ人手不足でも、出てくる言葉が違います。

交代制の職場

シフトが埋まらないという形で止められます。シフトの作成は会社の業務であって、辞める側の条件ではありません。

資格が必要な職場

「有資格者が自分しかいない」と言われることがあります。配置の要件を満たすのは会社の責任です。

少人数の事業所

社長や店長と直接話す形になるため、断りにくさが強く出ます。書面で日付を示すほうが進みます。

誰に頼めるか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

一度伝えたが取り合ってもらえない、という段階なら、改めて伝えるところで進むことがあります。

有給を断られている、退職日を認めない、損害賠償の話が出ている。ここからは人員の事情ではなく条件の話になります。時季変更権の限界を示して押し返す場面なので、辞めることを伝えるだけの立場では踏み込めません。

無料で見立てを得たい場合は総合労働相談コーナーに相談できます。

依頼先を選ぶなら

人手不足を理由に止められている場合、有給の消化と退職日をどう扱うかが分かれ目になります。申し込み前に、その交渉が対応範囲に入るかを確認してください。

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

有給と退職日の交渉まで頼む場合の相談先を見てみる

待つ理由を日付に変える

会社の事情を理解することと、期日のない了承をすることは別です。

日付が決まれば、そこから逆算して引き継ぎの計画が立ちます。日程の作り方は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。

よくある質問

人がいないので辞められないと言われました。

人員の補充は会社が行うことで、辞める側の条件ではありません。それを義務づける条文もありません。ただし正論だけでは話が動かないことがあるため、退職日を日付で示し、そこまでに何を引き継ぐかという形に切り替えると進みます。

繁忙期が終わってからにしてほしいと言われました。

いつまでを繁忙期とするかは会社が決めることになるため、期日を付けないと次の繁忙期まで動かないことがあります。応じる場合も「◯月◯日まで」と日付を確定させてください。口頭の了承は記録に残りません。

私が辞めたら現場が回らないと言われます。

業務の配分は会社が決めることです。人員配置の結果として生じている状態を、辞める側が引き受ける義務はありません。引き継ぎの資料を残すところまでで足ります。

辞めたら損害が出ると言われました。

あらかじめ金額を決めておく契約は労働基準法16条が禁じています。実際の損害の賠償を求めること自体が否定されるわけではありませんが、退職を理由に自動的に金額が決まるものではありません。言われた内容と日付を記録してください。

有給を使わせてもらえません。人手が足りないからと言われます。

使用者には時季を変更する権利がありますが、退職日以降に時季を変更することはできないとされています。残日数と希望日を書面で伝え、回答を記録してください。応じられない場合は労働基準監督署に相談できます。

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