引き止められて辞められない|受理されなくても2週間で終わる理由

カテゴリ: 揉めてはいない

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目次
  1. 受理されない場合にすること
  2. 記録の残る方法で届ける
  3. 控えを残す
  4. 「預かっておく」と言われた場合
  5. 引き止めのパターン別
  6. 後任が決まるまで待ってほしい
  7. 繁忙期が終わってから
  8. 給料を上げる・異動させる
  9. 「今辞めたら次はない」
  10. 損害賠償を請求する
  11. 退職願と退職届は別のもの
  12. 退職願
  13. 退職届
  14. 書き方
  15. 面談が繰り返される場合
  16. 応じる回数に決まりはない
  17. 書面でのやり取りに切り替える
  18. 記録を取る
  19. 退職を撤回する書面に署名しない
  20. 一度は考え直すかを決めておく
  21. 先に線を引いておく
  22. 残る場合は書面で確認する
  23. 期間の定めがある契約の場合
  24. やむを得ない事由が必要になる
  25. 更新のタイミングで終える
  26. 誰に頼めるか
  27. 依頼先を選ぶなら
  28. 受理を待たなくていい

伝えたのに辞められない。この状態でいちばん多いのが、受理されるかどうかを気にして止まっているケースです。

先に条文を確認します。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

——民法 第627条(e-Gov 法令検索)

起点は解約の申入れであって、会社の承認ではありません。2週間という期間も、受理された日からではなく申し入れた日から数えます。

起点はどこか

会社が受理した日 条文はここを起点にしていない 申し入れが届いた日 ここから2週間を経過することで終了 だから記録に残る方法で届ける 受理印をもらえなくても構わない 届いたことを示せる形にする 期間の定めのある契約は別の扱いになる
受理してもらうことではなく、届けることが目的です。

受理されない場合にすること

記録の残る方法で届ける

手渡しを拒まれたなら、郵送に切り替えてください。到達した日を示せる方法を選びます。

宛先は会社の代表宛か人事部宛にしてください。上司個人宛だと、社内で共有されないまま止まることがあります。

控えを残す

送る前に、退職届の写真を撮っておいてください。何を書いて送ったかが分かる状態にします。

「預かっておく」と言われた場合

これは受理でも不受理でもない、いちばん進まない形です。預かった日付を確認して、その内容をメールで残してください。

本日、退職届をお預けしました。退職日は◯月◯日を希望しております。

書面が動いていなくても、申し入れの事実は残ります。

引き止めのパターン別

後任が決まるまで待ってほしい

人員の補充は会社が行うことです。後任の有無を退職の条件にする定めはありません。

ただし正論だけでは動かないことがあります。日付を先に置いて「◯月◯日で退職します。それまでに何を引き継ぎますか」という形にしてください。

期日のない了承をすると、数か月そのままになります。

繁忙期が終わってから

同じ構造です。次の繁忙期が来ると、また同じことを言われます。

人手不足を理由にした引き止めについては人手不足を理由に辞めさせてもらえないにまとめています。

給料を上げる・異動させる

条件を変えて残ってほしいという提案です。応じる義務はありません。

考え直す気があるなら、内容を書面で確認してから判断してください。口頭の約束は残りません。

「今辞めたら次はない」

評価や再就職についての発言です。判断の材料にはなりません。

離職後の失業給付や手続きについては退職したあとに必要な手続きにまとめています。

損害賠償を請求する

いちばん動揺させられる言い方です。

労働基準法第16条は次のように定めています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

——労働基準法 第16条(e-Gov 法令検索)

辞めたこと自体を理由に、あらかじめ決めた金額を請求する契約はこの条文の問題になります。

実際に生じた損害の賠償を求めること自体が否定されるわけではありませんが、退職したという理由だけで自動的に金額が決まるものではありません。言われた内容と日付を記録してください。

言われたこと 見るところ
辞めるなら違約金◯◯円 あらかじめ金額を決める契約は16条の問題
研修費を返せ 契約書の条項の書き方で判断が分かれる
損害を計算して請求する 具体的な金額と根拠の提示を求める
訴えると言われた 弁護士に相談する段階

研修費の扱いは辞めるなら研修費を返せと言われたにまとめています。

退職願と退職届は別のもの

引き止められている場面では、どちらを出したかで扱いが変わります。

退職願

退職を願い出る書面です。会社が承諾するまでの間は、撤回の余地があるものとされています。

引き止めが強い状況でこれを出すと、「まだ承諾していない」という形で話が長引くことがあります。

退職届

退職することを通告する書面です。申し入れそのものとして扱われます。

引き止められている段階なら、こちらの形にしてください。

書き方

複雑な様式は要りません。次の要素があれば足ります。

書く項目 内容
表題 退職届
本文 一身上の都合により、◯年◯月◯日をもって退職いたします
日付 提出する日
署名 所属と氏名
宛名 代表者名

理由を詳しく書く必要はありません。「一身上の都合」で足ります。

面談が繰り返される場合

応じる回数に決まりはない

説得のための面談に無制限に応じる義務はありません。

書面でのやり取りに切り替える

「退職日は◯月◯日で変わりません。以降は書面でご連絡いただけますでしょうか」と伝えれば足ります。

記録を取る

日時、出席者、言われた内容をメモに残してください。回数が増えている場合、それ自体が状況を示す材料になります。

退職を撤回する書面に署名しない

「一度取り下げてから改めて」と求められることがあります。撤回すると、申し入れの日付が消えます。

内容が分からない書類には署名しないでください。

一度は考え直すかを決めておく

条件の提案を受けたときに迷うと、そこから話が長くなります。

先に線を引いておく

給与が上がれば残るのか、部署が変われば残るのか。伝える前に自分の中で決めておいてください。

決めていないと、提案されるたびに検討することになり、そのぶん退職日が動きます。

残る場合は書面で確認する

条件を受け入れて残るなら、金額と時期を書面にしてもらってください。口頭の約束は、次の評価の時期に消えることがあります。

期間の定めがある契約の場合

ここまでは期間の定めのない雇用の話です。契約期間が決まっている場合は扱いが変わります。

やむを得ない事由が必要になる

民法628条は、期間の定めのある雇用について、やむを得ない事由があるときは直ちに契約を解除できると定めています。

更新のタイミングで終える

期間満了で更新しないのがいちばん単純です。詳しくは契約社員が期間の途中で辞めたいにまとめています。

誰に頼めるか

引き止めが続いている状態は、伝えたあとの段階です。ここからは対応できる相手が変わります。

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

一度伝えたが取り合ってもらえない、という状況なら、改めて伝えるところまでで進むことがあります。

有給を断られている、退職日を認めない、損害賠償の話が出ている。ここは説得を退けるのではなく、条件を詰める場面です。会社の主張に反論する必要があるため、辞めることを伝えるだけの立場では踏み込めません。

訴訟や賠償の話が具体的に出ているなら、対応できるのは弁護士です。

無料で見立てを得たい場合は総合労働相談コーナーに相談できます。

依頼先を選ぶなら

引き止められている状態では、どこまで話してもらえるかが分かれ目になります。申し込み前に、有給や退職日の交渉が対応範囲に入るかを確認してください。

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

退職日や有給の交渉まで頼む場合の相談先を見てみる

受理を待たなくていい

会社の承認は起点ではありません。届いたことを示せる方法で申し入れれば、そこから期間が始まります。

日程の作り方は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。まだ伝えていない段階なら退職の切り出し方を先に読んでください。

よくある質問

退職届を受け取ってもらえません。

受理されないと辞められないわけではありません。民法627条は解約の申入れの日から2週間を経過することによって雇用が終了すると定めており、承認を要件にしていません。届いたことを示せる方法で申し入れてください。記録の残る郵送が確実です。

後任が決まるまで待ってほしいと言われました。

人員の補充は会社が行うことです。後任の有無を退職の条件にする定めはありません。ただし期日のない了承をすると、そのまま数か月動かなくなります。退職日を日付で示して、そこまでの引き継ぎの話に切り替えてください。

給料を上げるから残ってほしいと言われました。

条件を変えて残ってほしいという提案です。応じる義務はありません。条件の改善が理由で辞めるのを考え直すなら、書面で内容を確認してから判断してください。口頭の約束は残りません。

辞めるなら損害賠償を請求すると言われました。

辞めたこと自体を理由に、あらかじめ決めた金額を請求する契約は、労働基準法16条が禁じています。実際に生じた損害の賠償を求めることまでが否定されるわけではありませんが、言われた内容と日付を記録したうえで相談してください。

何度も面談を設定されて疲れました。

説得のための面談に無制限に応じる義務はありません。退職日を書面で伝え、以降は書面でのやり取りを希望する旨を示せます。回数が増えている場合は、その事実も記録しておいてください。

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