目次
- 伝えるのは3つだけ
- 退職日は決めてから話す
- 引き継ぎは「用意があります」で足りる
- アポの取り方
- 用件は書かない
- 15分と伝える
- 場所を指定する
- 誰に、いつ言うか
- 直属の上司が先
- 曜日と時間帯
- 就業時間内に話す
- 最初の一言
- 報告の形にする
- 感謝を先に置く
- 理由は「一身上の都合」で足りる
- 転職先は言わなくてよい
- その場で聞かれること
- 「いつ辞めるつもりか」
- 「理由は何か」
- 「次は決まっているのか」
- 「引き継ぎはどうするのか」
- 「考え直してくれないか」
- 退職届は持っていくか
- 初回の面談では出さなくてよい
- 引き止めが予想される場合は持っていく
- その場で決まらなかった場合
- 保留にされることは多い
- 日付だけ残す
- 引き止めが続く場合
- 対面で言えない場合
- 何度も逃している場合
- それでも動けない場合
- 誰に頼めるか
- 依頼先を選ぶなら
- 今日決めるのは日付だけ
辞めると決めているのに、最初の一言が出ない。何と言えばいいか分からないまま、また一週間が過ぎる。
止まっている原因のほとんどは、話す内容ではなく段取りです。いつ、誰に、どう時間をもらうか。ここが決まれば、話す中身は3つしかありません。
切り出しの段取り
伝えるのは3つだけ
話す前に整理しておく内容は次の3点です。
- 退職すること
- 希望する退職日
- 引き継ぎをどうするか
これ以外は聞かれてから答えれば足ります。長く準備するほど切り出しにくくなります。
退職日は決めてから話す
日付が決まっていないと、話が「いつ頃?」から始まり、そのまま保留になります。
先に決めておく日付の作り方は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。有給が残っているなら、その日数も足して考えてください。
引き継ぎは「用意があります」で足りる
細かい計画を持っていく必要はありません。引き継ぐ意思があることが伝われば、話は進みます。
引き継ぎを義務づける条文はありませんが、話を短く終わらせる材料にはなります。
アポの取り方
用件は書かない
メールやチャットで時間だけもらう形が扱いやすくなります。用件を先に書くと、返信で済まされたり、上司が事前に引き止めの準備をしたりします。
お疲れさまです。◯◯です。
ご相談したいことがあり、15分ほどお時間を
いただけないでしょうか。
今週中でご都合のよい日時をお知らせいただければ
そちらに合わせます。
よろしくお願いいたします。
15分と伝える
長い時間を求めると、まとまった枠が空くまで先延ばしになります。15分なら翌日には取れます。
実際には30分かかっても構いません。取りやすい枠を先に押さえるための書き方です。
場所を指定する
会議室や個室が確保できるかを確認してください。オープンな場所だと、周りを気にして話しづらくなります。
在宅勤務が中心なら、オンラインの面談で構いません。対面でなければならないという決まりはありません。
誰に、いつ言うか
直属の上司が先
人事に先に伝えると、上司が人事経由で知る形になります。話がこじれ、そのあとの手続きが長くなります。
例外は、上司自身がハラスメントの当事者である場合です。その場合は人事か、さらに上の役職者に伝えてください。
曜日と時間帯
| タイミング | 向き不向き |
|---|---|
| 月曜の朝 | 週の予定が動く。避けたほうが無難 |
| 平日の午後 | 落ち着いて話しやすい |
| 金曜の夕方 | その場で保留にされやすい |
| 繁忙期の直前 | 引き止めの材料を与える |
繁忙期を避けようとすると、いつまでも言えません。日付から逆算して決めてください。
就業時間内に話す
勤務時間外に呼び出す形にすると、それ自体が話しにくさになります。業務の一部として時間をもらってください。
最初の一言
報告の形にする
「相談させてください」で始めると、上司は判断する側の立場に立ちます。そこから保留や説得が始まります。
決めているなら、決めたことを伝える形にしてください。
お時間をいただきありがとうございます。 退職させていただきたく、ご報告に参りました。 ◯月◯日をもって退職したいと考えております。
感謝を先に置く
いきなり結論から入ると角が立ちます。時間をもらった礼を先に述べるだけで、その後の会話が進みやすくなります。
謝罪は要りません。辞めることは謝ることではありません。
理由は「一身上の都合」で足りる
詳しく話す義務はありません。具体的に話すと、その内容への反論という形で引き止めが始まります。
| 話す内容 | その後どうなるか |
|---|---|
| 一身上の都合 | 追加の反論が出にくい |
| 給与への不満 | 昇給の提案で引き止められる |
| 人間関係 | 部署異動の提案で引き止められる |
| 転職先が決まった | 条件の比較が始まる |
改善されたら残るつもりがあるなら、理由を話す意味はあります。辞めると決めているなら、材料を渡さないほうが短く終わります。
転職先は言わなくてよい
社名を伝える義務はありません。同業への転職なら、なおさら言わないほうが穏当に済みます。
その場で聞かれること
面談で出てくる質問は、だいたい決まっています。答えを用意しておくと、詰まらずに済みます。
「いつ辞めるつもりか」
日付で答えてください。「なるべく早く」と答えると、会社の都合で決まります。
「理由は何か」
一身上の都合で足ります。突っ込まれても、同じ言葉を繰り返して構いません。
「次は決まっているのか」
決まっていても、いなくても、答える義務はありません。「まだお話しできる段階ではありません」で足ります。
「引き継ぎはどうするのか」
「ご指示いただければ順次進めます」で足ります。細かい計画を求められたら、後日提出する形にしてください。
「考え直してくれないか」
その場で結論を出す必要はありません。「気持ちは変わりません」と伝えて、日付の話に戻してください。
退職届は持っていくか
初回の面談では出さなくてよい
口頭で伝えたあと、会社の様式が指定されることがあります。先に自分の様式で出すと、書き直しになることがあります。
引き止めが予想される場合は持っていく
その場で受け取ってもらえれば、日付が確定します。受け取りを拒まれた場合の扱いは引き止められて辞められないにまとめています。
その場で決まらなかった場合
保留にされることは多い
「考え直してほしい」「後日また話そう」と言われるのが典型です。その場で押し切る必要はありません。
日付だけ残す
面談の後に、話した内容をメールで送っておいてください。
本日はお時間をいただきありがとうございました。
先ほどお伝えしたとおり、◯月◯日をもって
退職させていただきたく存じます。
引き継ぎにつきましては、ご指示いただければ
順次進めてまいります。
口頭のやり取りは記憶が食い違います。日付が残っていれば、次の面談は「いつ辞めるか」ではなく「どう引き継ぐか」から始まります。
引き止めが続く場合
説得が繰り返される、退職届を受け取ってもらえない、という段階になったら別の話です。引き止められて辞められないにまとめています。
対面で言えない場合
対面が原則というルールはありません。書面やメールでも申し入れは成立します。
何度も逃している場合
アポを取ろうとして、毎回タイミングを逃す。この状態が続いているなら、形を変えたほうが早く進みます。
文面の作り方はメール・LINEで退職を伝えてよいかにまとめています。
それでも動けない場合
体調が落ちている、話そうとすると眠れない。この段階まで来ているなら、無理に自分で話す必要はありません。
誰に頼めるか
| 依頼先 | 退職の意思を会社に伝える | 有給・退職日・未払い賃金の話し合い | 損害賠償の請求や訴訟への対応 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 対応できる | 対応できる | 対応できる |
| 労働組合 | 対応できる | 団体交渉として対応できる | 対応範囲外 |
| 民間企業 | 対応できる | 対応範囲外 | 対応範囲外 |
労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法/弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)
面談で日付を告げるところまでしか必要がなく、争っている条件が無いなら、対応範囲は伝えるところまでで足ります。
有給を断られている、退職届を受け取ってもらえないという段階になっているなら、話し合いが必要になります。
判断がつかない場合は総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。
依頼先を選ぶなら
自分で伝えるつもりでも、動けないまま数週間が過ぎているなら、選択肢として見ておくだけで気持ちが軽くなることがあります。
主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。
今日決めるのは日付だけ
話す内容ではなく、話す日を決めてください。日付が決まれば、文面は上のものをそのまま使えます。
退職日の逆算は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。
よくある質問
何と言って時間をもらえばいいですか。
用件を明かさずに時間だけもらう形が扱いやすくなります。「ご相談したいことがあり、15分ほどお時間をいただけますか」で足ります。用件を先に書くと、その場でメールの返信で済まされたり、事前に引き止めの準備をされたりします。
直属の上司と人事、どちらに先に言うべきですか。
直属の上司が先です。人事に先に伝えると、上司が人事から聞く形になり、話がこじれることがあります。上司がハラスメントの当事者である場合は例外で、その場合は人事か、さらに上の役職者に伝えます。
退職理由を詳しく聞かれたらどうしますか。
詳しく話す義務はありません。「一身上の都合」で足ります。具体的に話すと、その内容への反論という形で引き止めが始まります。転職先の社名も言う必要はありません。
繁忙期なので言い出しにくいです。
忙しくない時期は基本的に来ません。退職日から逆算して、伝える日を先に決めてください。人手不足を理由に辞められないという扱いについては別の記事にまとめています。
対面で言う自信がありません。
書面やメールでも申し入れは成立します。対面が原則というルールはありません。日付が残るぶん、むしろ確実です。文面の作り方は別の記事にまとめています。
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