退職をメール・LINEで伝えてよいか|成立する条件と、そのまま使える文面

カテゴリ: 揉めてはいない

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目次
  1. メールで送る場合
  2. 送る相手
  3. 件名に用件を書く
  4. 送る時間帯
  5. そのまま使える文面
  6. 書かないほうがよいこと
  7. LINE やチャットで送る場合
  8. 成立はするが、記録にしにくい
  9. 社内のチャットツールなら
  10. 併用する
  11. 就業規則に書式の定めがある場合
  12. 定めに沿うほうが早い
  13. メールと退職届を両方出す
  14. 「1か月前」と書かれている場合
  15. 退職届を郵送する場合
  16. 宛先
  17. 記録の残る方法で送る
  18. 封筒の書き方
  19. 退職届の文面
  20. 送ったあとにすること
  21. 送信の記録を残す
  22. 返信がない場合
  23. 出社を求められた場合
  24. 電話がかかってくる場合
  25. 会社のアカウントが使えない場合
  26. 個人のアドレスから送ってよい
  27. 送り先が分からない場合
  28. 止められた事実も記録する
  29. そもそも送れない場合
  30. 何が止めているのか
  31. 自分で送らない選択
  32. 誰に頼めるか
  33. 依頼先を選ぶなら
  34. 送るなら今日でいい

対面で言えないなら、メールで送ってはいけないのか。結論から書くと、退職の申し入れを対面に限る条文はありません。

民法第627条は次のように定めています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

——民法 第627条(e-Gov 法令検索)

条文に方法の指定はありません。問題になるのは、伝えたことを示せるかどうかです。

形式より、届いたことを示せるか

条文は方法を指定していない 見るのは「届いたと示せるか」 メール 送信記録が残る まずこれ LINE 既読は付くが 記録にしにくい 返信がなければ、退職届を記録の残る方法で郵送 到達したことを示せる形になる
手段を選ぶ基準は、あとで示せるかどうかです。

メールで送る場合

送る相手

直属の上司を宛先にして、人事部を CC に入れる形が扱いやすくなります。

上司だけに送ると、社内で共有されないまま止まることがあります。人事が同時に受け取っていれば、手続きが動き始めます。

上司がハラスメントの当事者である場合は、人事を宛先にしてください。

件名に用件を書く

「ご相談」だけの件名は埋もれます。何の連絡かが分かる件名にしてください。

  • 退職のご連絡(営業部 ◯◯)
  • 退職のご報告と退職日のご相談

読み飛ばされて数日過ぎると、そのぶん退職日が後ろにずれます。

送る時間帯

就業時間内に送るほうが、業務の連絡として扱われます。深夜に送ると、翌朝まとめて読まれる中に埋もれます。

そのまま使える文面

件名:退職のご連絡(営業部 ◯◯ ◯◯)

◯◯部長

お疲れさまです。営業部の◯◯です。

このたび、一身上の都合により退職させていただきたく、
ご連絡いたします。

退職日は◯月◯日を希望しております。
残っている有給休暇の消化についても、ご相談させて
いただければ幸いです。

引き継ぎにつきましては、ご指示いただければ
順次進めてまいります。必要な書類の提出方法についても
お知らせいただけますでしょうか。

本来であれば直接お伝えすべきところ、
メールでのご連絡となり申し訳ありません。

よろしくお願いいたします。

書かないほうがよいこと

書かない 理由
退職理由の詳細 反論の材料になり、話が長くなる
転職先の社名 伝える義務がない
会社への不満 手続きの話が感情の話に変わる
「相談させてください」だけ 保留にされて日付が決まらない

LINE やチャットで送る場合

成立はするが、記録にしにくい

伝わったかどうかという点では成立します。ただし、あとから示す形として扱いにくい形式です。

上司の個人アカウントに送る形になることが多く、業務の記録として社内に残りません。端末の機種変更で消えることもあります。

社内のチャットツールなら

会社が業務で使っているツールなら、業務の連絡として扱われます。それでも、退職届の提出は別に必要になることが多くあります。

併用する

LINEで先に伝えて、同じ内容をメールでも送る。この形なら、読まれる速さと記録の両方を確保できます。

就業規則に書式の定めがある場合

「退職届を◯日前までに提出すること」といった定めが置かれていることがあります。

定めに沿うほうが早い

会社の手続きに乗せたほうが、離職票などの書類も順に進みます。争う場面ではありません。

メールと退職届を両方出す

メールで日付を伝えたうえで、退職届を郵送する。これで両方を満たせます。

郵送は記録の残る方法を選んでください。到達した日を示せる形になります。

「1か月前」と書かれている場合

就業規則の日数と民法627条の関係は、別の記事で整理しています。退職は何日前に言えばいいのかを読んでください。

退職届を郵送する場合

メールで伝えたあと、書面を送る場面です。

宛先

会社の代表者宛か、人事部宛にしてください。上司の個人宛だと、社内で共有されないまま止まることがあります。

住所は登記上の本社所在地でも、勤務先の事業所でも構いません。人事の機能がある場所を選んでください。

記録の残る方法で送る

到達した日を示せる方法を選んでください。普通郵便だと、届いていないと言われた場合に示す材料がありません。

送る前に、退職届の写真を撮って控えを残します。

封筒の書き方

書く場所 内容
表面 会社の住所と宛名。左下に「親展」
裏面 自分の住所と氏名
中身 退職届(封をした状態でなくてよい)

添え状を1枚入れると、何のための書面かが分かります。

退職届の文面

                              退職届

私事、

このたび一身上の都合により、
令和◯年◯月◯日をもって退職いたします。

                        令和◯年◯月◯日

                        営業部 ◯◯ ◯◯  印

株式会社◯◯◯◯
代表取締役 ◯◯ ◯◯ 殿

理由を詳しく書く必要はありません。「一身上の都合」で足ります。

送ったあとにすること

送信の記録を残す

送信済みフォルダをそのまま残しておいてください。転送して自分の個人アドレスにも控えを送っておくと、会社のアカウントを止められた場合にも残ります。

返信がない場合

数日待って返信がなければ、退職届を郵送してください。届いたことを示せる形になります。

出社を求められた場合

書類の受け渡しのために出社する義務があるわけではありません。郵送での対応を依頼できます。

貸与品の返し方は制服・貸与品を会社に行かずに返すにまとめています。

電話がかかってくる場合

メールで伝えたあと、上司から着信が続くことがあります。出なければならない義務はありません。

扱い方は会社からの電話に出なければいけないのかにまとめています。

会社のアカウントが使えない場合

伝えたあとにアクセスを止められることがあります。休職中でも同じことが起きます。

個人のアドレスから送ってよい

本文の冒頭に所属と氏名、分かるなら社員番号を書いておけば、誰からの連絡かは伝わります。

送り先が分からない場合

会社の代表アドレスか、採用ページの問い合わせ先が使えます。それも見当たらないなら、郵送に切り替えてください。

止められた事実も記録する

いつからアクセスできなくなったかをメモに残してください。やり取りの経緯を説明するときの材料になります。

そもそも送れない場合

文面を用意しても、送信ボタンが押せないことがあります。

何が止めているのか

  • 送った直後の反応を想像すると動けない
  • 一度伝えて流された経験がある
  • 上司との関係が既に壊れている

文面の問題ではなく、そのあとのやり取りが負担になっている状態です。

自分で送らない選択

伝えること自体を代わりに行ってもらう方法があります。送る前に、伝えたい退職日と、有給を消化したいかどうかだけ決めておけば足ります。

誰に頼めるか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

辞める意思を伝えるだけで、争っていることが何もないなら、対応範囲は伝えるところまでで足ります。

有給を断られている、退職届を受け取ってもらえないという段階なら、話し合いが必要になります。

判断がつかない場合は総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。

依頼先を選ぶなら

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

自分で送らずに進める場合の料金を見てみる

送るなら今日でいい

文面は上のものをそのまま使えます。日付を入れて、件名を付ければ完成します。

退職日の逆算は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。切り出す段取りから整理したい場合は退職の切り出し方を読んでください。

よくある質問

メールで送っただけで辞められますか。

申し入れ自体は成立します。民法627条は期間の定めのない雇用について、解約の申入れから2週間を経過することで終了すると定めており、方法を対面に限ってはいません。ただし届いたことを示せる状態にしておく必要があります。

就業規則に「書面で提出すること」と書かれています。

会社の定めた手続きがあるなら、それに沿うほうが手続きが早く進みます。メールで先に伝えたうえで、退職届を郵送する形にすれば両方を満たせます。郵送は記録の残る方法を選んでください。

LINEで送ってもいいですか。

伝わったかどうかという点では成立しますが、あとから記録として示しにくい形式です。上司の個人アカウントに送る形になることも多く、業務の記録として残りません。メールと併せて送るのが安全です。

返信がありません。

送信した記録が残っていれば、申し入れをした事実は残ります。数日待って返信がない場合は、退職届を記録の残る方法で郵送してください。到達したことを示せる形になります。

会社のメールアドレスが使えなくなっています。

個人のメールアドレスから送って構いません。本文に社員番号や所属を書いておけば、誰からの連絡かは分かります。アクセスを止められている状況なら、その事実も記録しておいてください。

料金と対応範囲を見てから決められます

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