目次
- 返すものの一覧
- 分からない場合は一覧を求める
- 紛失しているものがある場合
- 返す方法を決める
- 郵送でよいかを確認する
- 送料をどちらが負担するか
- 送った記録が残る方法にする
- パソコンなど高額なものの場合
- そのまま使える添え状の文面
- 書き方のポイント
- コピーを残す
- 私物の引き取り
- 選択肢は3つ
- 決めないまま進めない
- 処分を依頼する場合
- 端末を返す前にやること
- 私物のデータを先に取り出す
- 私物の端末に入った業務データ
- アカウントのログアウト
- 初期化はしないほうがよい
- 健康保険証の返却
- 退職日の翌日から使えない
- 扶養に入っている家族の分も
- 手元にないと困る場合
- 返却と給料は別の話
- 返却の期限を切られた場合
- 郵送で間に合うかを伝える
- 間に合わない事情がある場合
- 期限を過ぎたら弁償という話が出たら
- 依頼先に頼む場合
- 申し込み前に聞くこと
- 依頼先を選ぶなら
- 決めるのは3つだけ
辞めると決めたあと、意外に止まるのがここです。会社に行きたくないけれど、制服やパソコンを返さないと終わらない。
返却は郵送でできることが多くあります。出社しないと返せないわけではありません。
この記事では、返すもののチェックリストと、そのまま使える添え状の文面を置きます。
返却で決めることは3つだけ
返すものの一覧
入社時に受け取ったものを思い出してください。よくあるのは次のとおりです。
| 返すもの | 注意点 |
|---|---|
| 社員証・入館証 | 退職日以降は使えなくなる |
| 健康保険証 | 退職日以降は使用できない。必ず返す |
| 制服・作業着 | 洗濯するかは会社の定めによる |
| パソコン・携帯電話 | 私物データを先に消す |
| 鍵・カードキー | 紛失している場合は先に伝える |
| 名刺(自分の分・預かった分) | 取引先の名刺の扱いを確認 |
| 業務用の書類・データ | 私物と混ざっていないか確認 |
分からない場合は一覧を求める
会社に「返却が必要なものを教えてください」と聞けば足ります。推測で送ると、あとから追加を求められます。
紛失しているものがある場合
先に伝えてください。黙って送ると、あとで発覚したときに話がこじれます。
弁償を求められた場合は、その根拠と金額の内訳の提示を求めてください。
返す方法を決める
郵送でよいかを確認する
多くの場合、郵送で受け付けてもらえます。先に確認してから送ってください。
送料をどちらが負担するか
着払いを断られることがあります。会社が了承していれば着払いで構いませんが、確認せずに送ると受け取りを拒まれます。
やり取りが難しい状況なら、元払いで送って送料の精算を後から求める方法もあります。
送った記録が残る方法にする
追跡番号が出る方法を選んでください。届いた日と受け取った人が記録に残ります。
伝票の控えは保管しておきます。
パソコンなど高額なものの場合
補償のある方法を選んだほうが安全です。輸送中の破損で揉めると、返却そのものが終わりません。
そのまま使える添え状の文面
段ボールに物だけ入れて送ると、何が入っているか会社側が確認できません。1枚入れておくとやり取りが減ります。
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯◯◯
人事部 ◯◯様
営業部 ◯◯ ◯◯
貸与品返却のご連絡
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびの退職にあたり、貸与いただいておりました品を
下記のとおり返却いたします。ご査収のほどお願い申し上げます。
記
1. 社員証 1枚
2. 健康保険証 1枚
3. 制服(上下) 1着
4. ロッカーの鍵 1本
以上
なお、私物につきましては別途ご相談させていただければ幸いです。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
敬具
書き方のポイント
- 品目と数量を必ず書く(あとで数が合わないと言われないため)
- 日付を入れる
- 私物について触れておくと、次のやり取りにつながる
長い挨拶は要りません。何を何個返したかが分かれば足ります。
コピーを残す
送る前に写真を撮っておいてください。中身と添え状の両方を撮っておくと、記録になります。
私物の引き取り
ロッカーや机に残したものをどうするかを決めます。
選択肢は3つ
- 送ってもらう(送料の負担を確認する)
- 取りに行く(日時を決めて、短時間で済ませる)
- 処分してもらう(同意を求められることがある)
決めないまま進めない
私物の扱いを空欄にしたまま貸与品だけ送ると、そのあとに必ず1往復増えます。最初のやり取りで一緒に伝えてください。
処分を依頼する場合
「私物は処分してくださって構いません」と文書で伝えておくと、会社側も動きやすくなります。
貴重品や個人情報が含まれるものがないかは、先に思い出してください。
端末を返す前にやること
パソコンや携帯電話を返す場合、そのまま送ると困ることが出てきます。
私物のデータを先に取り出す
写真や個人のファイルが入っていないかを確認してください。返却後に取り出すことはできません。
私物の端末に入った業務データ
逆の経路もあります。自分のスマートフォンに業務用のアプリや連絡先が入っている場合、退職後も残ります。
会社から削除を求められることがあるため、何が入っているかを把握しておいてください。
アカウントのログアウト
社用の端末で個人のアカウントにログインしている場合は、返す前にサインアウトします。
- メール・クラウドストレージ
- ブラウザに保存したパスワード
- 二要素認証のアプリ
初期化はしないほうがよい
自分の判断で初期化すると、業務データまで消えたと問題になることがあります。消してよいかを会社に確認してから行ってください。
健康保険証の返却
返却物の中で、期限がはっきりしているのがこれです。
退職日の翌日から使えない
退職日の翌日には資格を失うため、それ以降に使うと、あとから医療費の返還を求められます。
扶養に入っている家族の分も
家族の分も同じ扱いです。人数分をまとめて返却してください。
手元にないと困る場合
退職日の直後に通院の予定があるなら、次の保険への切り替え手続きを先に調べておいてください。国民健康保険への切り替えは、住んでいる市区町村の窓口で行います。
返却と給料は別の話
「返さないと給料を払わない」と言われることがあります。
賃金の支払いと貸与品の返却は、それぞれ別の義務です。返却を条件に支払いを止める根拠は乏しくなります。
労働基準法23条は、退職の場合に権利者の請求があったときは7日以内に賃金を支払うと定めています。条文に返却を条件とする文言はありません。
ただし返却自体は進めてください。記録を残しておけば、支払いを求めるときの材料になります。
支払われない場合の手順は最後の給料が振り込まれないにまとめています。
返却の期限を切られた場合
「今週中に持ってこい」と言われることがあります。
郵送で間に合うかを伝える
発送の日付を先に伝えれば、多くの場合はそれで進みます。追跡番号を知らせておくと催促が止まります。
間に合わない事情がある場合
体調やクリーニングの都合で遅れるなら、いつ送るかを日付で伝えてください。返事をしないまま放置すると、督促が続きます。
期限を過ぎたら弁償という話が出たら
弁償の根拠と金額の内訳の提示を求めてください。返却の意思を示した記録が残っていれば、その事実も材料になります。
依頼先に頼む場合
退職代行に依頼する場合、返却の方法についても会社に確認してもらえることがあります。
申し込み前に聞くこと
- 返却方法の希望を会社に伝えてもらえるか
- 私物の引き取りについて調整してもらえるか
- 書類の送付先の希望を伝えてもらえるか
物のやり取り自体は自分で行うのが通常です。依頼先が代わりに荷造りをするわけではありません。
| 依頼先 | 退職の意思を会社に伝える | 有給・退職日・未払い賃金の話し合い | 損害賠償の請求や訴訟への対応 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 対応できる | 対応できる | 対応できる |
| 労働組合 | 対応できる | 団体交渉として対応できる | 対応範囲外 |
| 民間企業 | 対応できる | 対応範囲外 | 対応範囲外 |
労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法/弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)
返却の方法を決めるだけなら、争う要素はありません。弁償を求められている、給料を止められているという場合は話が変わります。
依頼先を選ぶなら
争っていることが何もないなら、伝えるところまでで足ります。判断がつかない場合は総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。
決めるのは3つだけ
返す物、返す方法、私物の扱い。この3つを最初のやり取りで伝えれば、往復が減ります。
退職日の決め方は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。
よくある質問
着払いで送ってもいいですか。
会社が了承していれば問題ありません。ただし断られることがあるため、先に確認してください。確認せずに着払いで送ると受け取りを拒まれ、往復の手間が増えます。やり取りが難しい場合は元払いで送り、送料の精算を後から求める方法もあります。
何を返せばいいか分かりません。
入社時に受け取ったものを思い出してください。社員証、制服、鍵、パソコン、携帯電話、名刺、健康保険証が代表的です。健康保険証は退職日以降は使えなくなるため、必ず返却の対象に入ります。分からない場合は会社に一覧の提示を求められます。
会社が返却物を受け取ってくれません。
送った記録が残っていれば、返却の意思を示した事実は残ります。受け取りを拒まれた場合は、その記録と伝票の控えを保管してください。返却をめぐって賃金の支払いを止められている場合は、労働基準監督署に相談できます。
制服はクリーニングしてから返すべきですか。
就業規則や社宅規程と同じく、会社の定めがあればそれに従うことになります。定めがなければ義務ではありません。ただし洗濯して返すほうが、その後のやり取りが短く済むことが多くあります。
私物を取りに行きたくありません。
送ってもらう、処分してもらうのどちらかを依頼できます。ロッカーや机の中身を会社が勝手に処分することへの同意を求められる場合もあります。どの扱いにするかを文書で伝えておくと、あとで揉めません。
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