ボーナスをもらってから辞めたい|支給日と退職日の関係で損しない

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目次
  1. 賞与は規程で決まる
  2. だから条項を読む
  3. 「支給日に在籍していること」が多い
  4. 「退職予定者は減額する」という定め
  5. 伝えるタイミングをどう決めるか
  6. 減額の定めがない場合
  7. 減額の定めがある場合
  8. どちらか分からない場合
  9. 有給と競合することに注意
  10. 計算の順番
  11. 待つ価値があるかを比べる
  12. 支給後に返還を求められた場合
  13. 根拠になる条項があるか
  14. 定めがない場合
  15. 給料から引かれそうな場合
  16. 賞与から引かれるもの
  17. 社会保険料
  18. 所得税
  19. 雇用保険料
  20. 減額された場合の確認手順
  21. 1. 支給明細を保存する
  22. 2. 算定の根拠を求める
  23. 3. 前年と比べる
  24. 転職先の入社日が決まっている場合
  25. 二重に在籍する形は避ける
  26. 入社日をずらせるか聞く
  27. 誰に相談するか
  28. 依頼先を選ぶなら
  29. 先に読むのは賃金規程

ボーナスをもらってから辞めたい。多くの人が考えることですが、支給日と退職日の並べ方を間違えると受け取れません。

先に前提を書きます。賞与の支払いを義務づける条文はありません。支給されるかどうかは、就業規則や賃金規程に何と書かれているかで決まります。

だから確認するのは法律ではなく、自分の会社の規程です。

確認する順番

1. 賃金規程の賞与の条項 支給要件・算定期間・減額の定めがあるか 2. 支給日を確認する 在籍要件があるなら、そこまでは在籍する 3. 有給の残日数と並べる 支給日のあとに消化日程が入るかを見る 賞与だけ見ると、有給が消えることがある 2つを同じカレンダーに置いて決める
賞与と有給は同じカレンダーの上で競合します。

賞与は規程で決まる

労働基準法に、賞与の支払いを義務づける規定はありません。

厚生労働省のモデル就業規則にも賞与の条項の例がありますが、支給するかどうか、いくらにするかは会社が定めるものです。

だから条項を読む

見るのは賃金規程か就業規則の賞与の条項です。次の3点が書かれています。

  1. 支給の要件(支給日に在籍していることなど)
  2. 算定の対象期間
  3. 減額や不支給の定めがあるか

「支給日に在籍していること」が多い

要件としてよく置かれている形です。この場合、支給日まで在籍していれば受け取れるのが原則になります。

支給日の翌日に退職しても、支給日には在籍していたことになります。

「退職予定者は減額する」という定め

こちらの条項を置いている会社もあります。あるかどうかで、伝えるタイミングの判断が変わります。

条項があるなら、支給日より後に伝えるほうが有利になる場合があります。

伝えるタイミングをどう決めるか

減額の定めがない場合

支給日の前に伝えても、支給日に在籍していれば受け取れる形になります。この場合、タイミングを気にする必要は薄くなります。

減額の定めがある場合

支給日を過ぎてから伝えるほうが安全です。ただし引き継ぎの期間が短くなるため、社内の関係は悪くなりやすくなります。

どちらか分からない場合

規程を確認できないまま判断すると、どちらにも転びます。先に規程を探してください。

見当たらない場合は、会社に開示を求められます。就業規則は労働者に周知することが求められているものです。

有給と競合することに注意

賞与を待っている間に、有給の消化日程が押し出されることがあります。

計算の順番

  1. 賞与の支給日を確認する
  2. 有給の残日数を確認する
  3. 支給日の翌日から残日数を足した日を退職日にする

この形なら両方を確保できます。

待つ価値があるかを比べる

賞与の見込み額と、消化できなかった有給の日数分を比べてください。有給は退職日までに使わないと消えます。

残日数が多い人ほど、賞与だけを見て判断すると損をすることがあります。

優先するもの 退職日の置き方 注意点
賞与 支給日より後 有給の消化日程が入るか確認
有給 残日数を足した日 支給日をまたぐか確認
両方 支給日+残日数の後 いちばん後ろになる

有給の逆算は有給を全部使ってから辞めるにまとめています。

支給後に返還を求められた場合

「退職するなら返せ」と言われることがあります。

根拠になる条項があるか

支給されたものを後から返還させるには、その定めが規程にある必要があります。まず条項の提示を求めてください。

定めがない場合

支給済みのものを遡って減らす根拠が乏しくなります。誰がいつ返還を求めたのか、金額はいくらかを控えて相談してください。

給料から引かれそうな場合

労働基準法24条は賃金の全額払いを定めており、そのただし書きは例外として「法令に別段の定めがある場合」と、事業場の労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合を挙げています。賞与からの天引きも、この枠の中に入っているかどうかで見ます。

明細を残したうえで、労働基準監督署に相談できます。

賞与から引かれるもの

支給額と手取りの差が大きいと、「減額された」と誤解することがあります。先に引かれるものを整理しておきます。

社会保険料

賞与にも健康保険料と厚生年金保険料がかかります。月々の給与とは別に、賞与の額から千円未満を切り捨てた標準賞与額をもとに計算される仕組みです。

退職日が月末かどうかで、その月の社会保険料の扱いが変わる点にも注意してください。

所得税

賞与の所得税は、月給とは違う計算方法が使われます。前月の給与額と扶養親族の数から税率を求め、それを賞与の額に掛ける形です。

前月に残業が多かった人は、そのぶん税率の区分が上がることがあります。手取りが想定より少ない理由が、減額ではなくここにある場合があります。

雇用保険料

賞与にもかかります。率は毎年度見直されるため、明細の控除額と照らして確認してください。

引かれるもの 何をもとに計算するか
健康保険・厚生年金 標準賞与額(千円未満切り捨て)
所得税 前月の給与額から求めた税率
雇用保険料 賞与の総額
住民税 賞与からは引かれないのが通常

住民税は原則として月々の給与から引かれるため、賞与の明細に載らないのが通常です。載っている場合は、その理由を確認してください。

減額された場合の確認手順

1. 支給明細を保存する

いくら支給され、いくら引かれたのかが分かる形で残します。

2. 算定の根拠を求める

どの条項にもとづいて減額したのかを聞きます。回答があったかどうかも記録してください。

3. 前年と比べる

同じ算定期間で前年いくらだったかが分かれば、減額の幅を示せます。過去の明細が役に立ちます。

転職先の入社日が決まっている場合

支給日を待つと、次の会社の入社日と重なることがあります。

二重に在籍する形は避ける

在籍したまま次の会社に入ると、社会保険の加入が重なります。手続きが複雑になるため、退職日と入社日は重ならないように置いてください。

入社日をずらせるか聞く

賞与の支給日を理由に入社日を1か月後ろにしてもらえることはあります。内定の段階で相談すれば調整の余地があります。

言いにくい場合でも、事情を伏せて「現職の引き継ぎの都合で」と伝えれば足ります。

誰に相談するか

金額をめぐって会社と認識が食い違っている状態です。

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

支給日を待って辞めるだけなら、争う要素はありません。伝えるところまでで足ります。

減額の根拠を争う、返還を求められている、という場合は賞与の額そのものを巡る話し合いになります。賃金規程のどの条項を適用するかで会社と主張が割れるため、辞めることを伝えるだけの立場では踏み込めません。

規程と明細を持って総合労働相談コーナーに行けば、無料で見立てが得られます。

依頼先を選ぶなら

支給日まで在籍してから伝えるだけなら、いちばん左で足ります。減額を巡って話す必要があるなら、話し合いができる立場が必要です。

支給日のあとに伝える場合の料金を見てみる

先に読むのは賃金規程

賞与の条項を読めば、いつ伝えるのが有利かが決まります。

そのうえで有給の残日数と並べれば、退職日が1つに決まります。日程の作り方は退職は何日前に言えばいいのかにまとめています。

よくある質問

支給日の翌日に退職を伝えたら減額されますか。

支給されたあとに遡って減額できるかは、就業規則にその定めがあるかによります。定めがなければ、支給済みのものを後から減らす根拠が乏しくなります。まず賃金規程の賞与の条項を確認してください。

支給日の前に退職を伝えると、もらえなくなりますか。

「支給日に在籍していること」が要件なら、支給日まで在籍していれば受け取れるのが原則です。ただし「退職予定者は減額する」という定めを置いている会社もあります。条項の有無で結論が変わります。

そもそも賞与は必ず支払われるものですか。

賞与の支払いを義務づける条文はありません。就業規則や賃金規程、労働契約で支給することが定められている場合に、その内容に従って支払われるという関係になります。規程に支給の定めがなければ、支払われないこともあります。

減額の理由を説明してもらえません。

減額の根拠になる条項の提示を求めてください。規程に定めがないまま減額されているなら、賃金の全額払いを定めた労働基準法24条の問題として相談できます。給与明細と規程を持って労働基準監督署へ行くのが確実です。

ボーナスを待つと有給が消化しきれません。

賞与の額と、消化できなかった有給の日数分を比べて決めることになります。有給は退職日までに使わないと消えるため、両方を確保するには退職日を後ろに置く必要があります。残日数と支給日を並べて計算してください。

料金と対応範囲を見てから決められます

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