「辞めたら違約金を払え」と言われた|金額が先に決まっているかで分かれる

カテゴリ: 今すぐ払うお金がない

本ページはプロモーション(広告)を含みます。

目次
  1. 条文はこう書かれている
  2. 違約金を定めること
  3. 損害賠償額を予定すること
  4. 禁じられていないこと
  5. 条項の書き方で見る
  6. 名前は関係ない
  7. 実費の精算として組まれている場合
  8. 資格取得の費用を求められた場合
  9. 業務に必要だったか
  10. 本人が自由に選べたか
  11. 退職後も使えるか
  12. 確認すること
  13. 請求されたときの手順
  14. 1. 金額を確定させない
  15. 2. 根拠と内訳の提示を求める
  16. 3. 契約書と誓約書を揃える
  17. 4. 記録する
  18. 内容証明が届いた場合
  19. 届いたこと自体に効力はない
  20. 期限が書かれていても
  21. やること
  22. 訴訟の話が出ている場合
  23. 在職中の貸付と混同しない
  24. 貸付は返す
  25. ただし賃金との相殺は別の話
  26. 一括返済を求められた場合
  27. 業務委託と言われている場合
  28. 名称ではなく実態
  29. 労働者として扱われる場合
  30. 揃えるもの
  31. 辞める前にできること
  32. 条項の写しを取る
  33. 就業規則も確認する
  34. 相談を先にする
  35. 誰に頼めるか
  36. 依頼先を選ぶなら
  37. まず条項の写しを取る

辞めると伝えた途端に、契約書の条項を持ち出される。あるいは退職後に内容証明が届く。

金額を見て頭が真っ白になりますが、見るところは決まっています。金額が先に決まっているのか、実際にかかった費用の精算なのか。ここで扱いが分かれます。

条項のどこを見るか

契約書・誓約書のその条項を読む 金額が書いてある 「違約金◯◯円」 16条の問題が 正面から出る 実費の精算 「負担した費用の 残額を返還」 内容で判断が割れる どちらでも、まず内訳の提示を求める 何にいくらかかったのかを示してもらう 示されないまま支払う理由はない
条項の書き方が、そのまま判断の分かれ目になります。

条文はこう書かれている

労働基準法第16条は次のように定めています。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

——労働基準法 第16条(e-Gov 法令検索)

短い条文ですが、禁じている行為が2つ書かれています。

違約金を定めること

「辞めたら◯◯円」と決めておく形です。

損害賠償額を予定すること

実際の損害がいくらかを問わず、金額をあらかじめ決めておく形です。

禁じられていないこと

実際に生じた損害について賠償を求めること自体は、この条文が禁じているものではありません。

ここを混同すると、「損害賠償と言われた時点ですべて無効」という誤解になります。

条項の書き方で見る

条項の書き方 見方
2年以内に退職したら違約金50万円 金額が先に決まっている。16条の問題が正面から出る
退職の場合は損害賠償として30万円 同じ。名前が違うだけ
会社が負担した実費の未償却分を返還 実費の精算として組まれている。内容で判断が分かれる
書面にそもそも条項がない 会社が根拠を示す側になる

名前は関係ない

「違約金」「損害賠償」「解約金」「ペナルティ」。呼び方を変えても、金額が先に決まっている構造であれば同じ枠で見られます。

実費の精算として組まれている場合

こちらは一律に判断できません。何のための費用で、誰の利益になるものかが見られます。

研修費についての整理は辞めるなら研修費を返せと言われたにまとめています。

資格取得の費用を求められた場合

免許、認定、講習の受講料。このパターンは相談が多い部分です。

業務に必要だったか

その資格がないと業務ができないものなら、会社が負担すべき性質のものとして見られやすくなります。

本人が自由に選べたか

受けるかどうかを自分で決められた場合と、業務命令で受けた場合では扱いが変わります。

退職後も使えるか

本人の資格として残り、他社でも使えるものかどうかが見られます。汎用性が高いほど、本人の利益として扱われやすくなります。

確認すること

  1. 誓約書や合意書の文面(金額が先に決まっているか)
  2. 受講が業務命令だったか
  3. 資格が退職後も有効か
  4. 実際にかかった費用の額

請求されたときの手順

1. 金額を確定させない

その場で「分かりました」と言わないでください。承諾したと受け取られる余地を残します。

「内容を確認します」で足ります。

2. 根拠と内訳の提示を求める

何を根拠に、どう計算した金額なのか。書面で求めてください。

請求の根拠となる条項と、金額の算出根拠をお示しいただけますでしょうか。

3. 契約書と誓約書を揃える

入社時に署名した書類を探してください。手元にない場合は、写しの交付を求められます。

4. 記録する

言われた日付、金額、相手。口頭のやり取りもメモに残してください。

内容証明が届いた場合

届いたこと自体に効力はない

内容証明は、いつ誰にどんな文書を送ったかを郵便局が証明する制度です。書かれている内容が正しいと証明するものではありません。

期限が書かれていても

内訳が示されないまま支払う必要はありません。ただし放置はしないでください。

やること

手順 内容
封筒と中身を保管 消印と到達日が分かる状態で残す
期限を確認 いつまでに何を求められているか
根拠の提示を求める 条項と算出根拠を書面で
相談する 弁護士か総合労働相談コーナー

訴訟の話が出ている場合

訴訟や支払督促が具体的に出ているなら、対応できるのは弁護士です。早めに相談してください。

在職中の貸付と混同しない

「会社から借りたお金」と「違約金」は別のものです。

貸付は返す

住宅資金や車の購入資金を会社から借りている場合、退職を理由に消えるものではありません。残額の返済は続きます。

ただし賃金との相殺は別の話

労働基準法17条は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならないと定めています。

返すことと、給料から勝手に引くことは、分けて扱ってください。

一括返済を求められた場合

在職を前提にした貸付なら、退職時に一括での返済を求める条項が置かれていることがあります。借用書の期限に関する条項を確認してください。

業務委託と言われている場合

契約書の名称が業務委託や請負になっていることがあります。

名称ではなく実態

指揮命令を受けて働いていたか、時間や場所が指定されていたか、代わりの人を立てられなかったか。こうした点から実態が見られます。

労働者として扱われる場合

労働基準法の適用を受けるため、16条の枠で見ることになります。

揃えるもの

契約書、業務の指示が分かるやり取り、勤務の記録。この3つが実態を示します。

辞める前にできること

まだ在籍していて、条項の存在に気づいた段階なら、先に手を打てます。

条項の写しを取る

入社時の書類を今のうちに確保してください。退職後は取りにくくなります。

就業規則も確認する

労働基準法106条は、就業規則を労働者に周知させなければならないと定めています。提示を求められるものです。

相談を先にする

請求される前に見立てを得ておくと、伝えるときの心理的な負担が変わります。総合労働相談コーナーは無料です。

誰に頼めるか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

条項があるだけで、まだ請求されていないなら、辞めること自体は伝えるところまでで進みます。

金額を提示されて争っている、内容証明が届いている、訴訟の話が出ている。この段階で対応できるのは弁護士です。

依頼先を選ぶなら

契約書に違約金の条項がある状態で辞めるなら、申し込み前にその条項を見せて、対応範囲に入るかを確認してください。後から追加の費用が発生する形もあります。

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

請求されている場合の相談先を見てみる

まず条項の写しを取る

金額が書かれているか、実費の精算になっているか。読めば分かります。

そのうえで請求が来たら、内訳の提示を求めるところから始めてください。研修費という名目で来ている場合は辞めるなら研修費を返せと言われたを読んでください。

よくある質問

契約書に「1年以内に退職したら違約金50万円」と書かれています。

金額が先に決まっている形は、労働基準法16条が禁じる賠償予定にあたる可能性が高いものとされています。ただし条項があること自体で支払い義務が生じるわけではありません。契約書のその条項の写しを取り、請求が来た段階で相談してください。

資格を取る費用を会社が出しました。返す必要がありますか。

条項の組み方によって判断が分かれます。業務に必要で会社が負担すべき性質のものか、自由に受けられて本人の資格として残るものかが見られます。誓約書の文面と、その資格が退職後も使えるかを確認してください。

内容証明が届きました。すぐ払わないといけませんか。

届いたこと自体は支払い義務を意味しません。まず何を根拠に、どう計算した金額なのかの提示を求めてください。期限が書かれていても、内訳が示されないまま支払う必要はありません。放置はせず、記録を残して相談してください。

損害賠償を請求すると口頭で言われました。

実際に生じた損害の賠償を求めること自体が否定されるわけではありませんが、退職したという理由だけで金額が自動的に決まるものではありません。言われた日付と内容を記録してください。金額が示されていない段階なら、まだ請求は始まっていません。

業務委託契約なら16条は関係ありませんか。

労働基準法は労働者に適用されます。契約書の名称が業務委託でも、実態として指揮命令を受けて働いていれば労働者として扱われる余地があります。契約書と実際の働き方の両方を持って相談してください。

弁護士に頼む場合の料金を確認できます

公式サイトで料金と対応範囲を見る