公務員が辞めたい|民間の「2週間で辞められる」は当てはまらない

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目次
  1. 適用される条文が違う
  2. 退職を行うのは任命権者
  3. 民法627条は使えない
  4. 詳細は人事院規則にある
  5. 国家公務員の場合
  6. 「書面をもって」
  7. 「承認するものとする」
  8. 「特に支障のない限り」
  9. 言葉の定義も条文にある
  10. 地方公務員の場合
  11. 決めているのは条例と規則
  12. 確認する場所
  13. 分限・懲戒とは別
  14. 実際に進めるときの順番
  15. 1. 自分がどちらか確認する
  16. 2. 規則を入手する
  17. 3. 書面を用意する
  18. 4. 提出先を確認する
  19. 5. 日程を確認する
  20. 民間の記事との違いを一覧にする
  21. 失業給付が無い点に注意
  22. 有給の消化も規定が違う
  23. よくある不安
  24. 懲戒処分になるのか
  25. 退職金への影響
  26. 共済の切り替え
  27. 転職先が決まっている場合
  28. 退職代行に頼む場合
  29. 対応の可否は依頼先による
  30. 申し込み前に確認すること
  31. 民間向けの説明をそのまま使っていないか
  32. 誰に頼めるか
  33. 依頼先を選ぶなら
  34. 先に読むのは規則

公務員の退職について書かれた記事の多くが、民間と同じ「2週間」を前提にしています。ここが違います。

適用される条文が別だからです。順に確認します。

民間とは仕組みが違う

民間(民法627条) 申し入れから2週間の経過で終了する 公務員(国公法61条・人事院規則) 書面で辞職を申し出る 任命権者が承認する 条文に日数の定めが無い 「2週間で辞められる」と書けない 地方公務員は自治体の条例・規則で決まる 国家公務員の規則は当てはまらない
先に自分がどちらの規定に属するかを確認します。

適用される条文が違う

国家公務員法第61条は次のように定めています。

職員の休職、復職、退職及び免職は任命権者が、この法律及び人事院規則に従い、これを行う。

——国家公務員法 第61条(e-Gov 法令検索)

退職を行うのは任命権者

条文の主語が任命権者です。労働者の側が申し入れれば当然に終了する、という書き方ではありません。

民法627条は使えない

民法第627条は、期間の定めのない雇用について、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了すると定めた規定です。

公務員の退職はこの枠組みではないため、日数を条文から一律に出せません。

詳細は人事院規則にある

61条は「この法律及び人事院規則に従い」と書いています。実際の手続きは規則を見ます。

国家公務員の場合

人事院規則八―一二(職員の任免)第51条は次のように定めています。

任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする。

——人事院規則八―一二 第51条(e-Gov 法令検索)

「書面をもって」

条文が書面を前提にしています。口頭で伝えるだけでは、この規定の申出になりません。

「承認するものとする」

承認という手続きが条文に置かれています。民間のように、届いた時点から期間が進む仕組みではありません。

「特に支障のない限り」

承認しないことが原則として想定されていない書き方です。ただし、承認という段階がある以上、申し出てすぐに終わるとは限りません。

言葉の定義も条文にある

同規則第50条は、辞職を「職員がその意により退職すること」、免職を「職員をその意に反して退職させること」と定義しています。

自分から辞めるのは辞職です。

地方公務員の場合

国家公務員の人事院規則は当てはまりません。

決めているのは条例と規則

地方公務員法の下で、各自治体が条例と規則を定めています。手続きも日数も自治体によって違います。

確認する場所

所属する自治体の職員の任免に関する規則です。人事担当の部署で確認できます。

分限・懲戒とは別

地方公務員法の分限や懲戒の規定は、本人の意に反して免職する場合の話です。自分から辞めるときの規定ではありません。

混同すると、辞めることそのものが不利益な扱いに見えてしまいます。

実際に進めるときの順番

1. 自分がどちらか確認する

国家公務員か地方公務員か。国家公務員でも、行政執行法人の職員などで扱いが分かれる場合があります。

2. 規則を入手する

国家公務員は人事院規則、地方公務員は自治体の規則です。どちらも公開されています。

3. 書面を用意する

国家公務員については条文が書面を求めています。地方公務員も書面での提出を定めている自治体が多くあります。

書き方の基本は退職届の書き方にまとめています。様式が指定されている場合はそれに従ってください。

4. 提出先を確認する

任命権者です。直属の上司ではありません。実務では上司を経由して提出する形が一般的ですが、決めるのは任命権者です。

5. 日程を確認する

条文に日数の定めが無いため、所属の運用を確認する必要があります。年度末での退職を前提に運用している職場もあります。

民間の記事との違いを一覧にする

このサイトの民間向けの記事をそのまま当てはめると、次の点でずれます。

論点 民間 国家公務員
根拠 民法627条 国家公務員法61条・人事院規則八―一二
起点 解約の申入れ 書面による辞職の申出
相手の承認 要件ではない 承認するものとする、と条文にある
日数 申入れから2週間 条文に定めが無い
有給の扱い 労働基準法39条 年次休暇として別の規定で定められている
失業給付 雇用保険法 雇用保険の被保険者ではないのが通常

失業給付が無い点に注意

公務員は雇用保険の被保険者ではないのが通常です。辞めた後に基本手当を受け取る前提で日程を組むと、収入の見込みが崩れます。

退職手当の支給の時期を先に確認してください。

有給の消化も規定が違う

労働基準法39条ではなく、年次休暇として別に定められています。残日数と消化の可否は、所属の規定で確認してください。

よくある不安

懲戒処分になるのか

辞職の申出をしたこと自体が処分の理由になるものではありません。

ただし、無断で出勤しない状態が続いた場合の扱いは別の問題です。連絡は絶たないでください。

退職金への影響

退職手当の支給は、国家公務員は法律、地方公務員は条例で定められています。自己都合か否かで支給率が変わる仕組みが置かれていることがあります。

所属の規定を確認してください。

共済の切り替え

健康保険と年金にあたる部分が共済組合です。退職後の切り替え手続きが民間と違います。

任意継続にあたる制度の有無と期限を、共済組合に確認してください。民間の期限をそのまま当てはめないでください。

転職先が決まっている場合

在職期間が重ならないように日程を組んでください。共済と次の職場の社会保険が重なると、手続きが複雑になります。

退職代行に頼む場合

対応の可否は依頼先による

公務員への対応を明記していないサービスがあります。手続きの構造が民間と違うため、扱えるかどうかがそのまま分かれます。

申し込み前に確認すること

  1. 公務員に対応しているか
  2. 国家公務員と地方公務員のどちらに対応できるか
  3. 書面の提出をどう扱うか
  4. 承認までの間の連絡をどうするか

民間向けの説明をそのまま使っていないか

「2週間で辞められます」と説明された場合、民間の枠組みで話している可能性があります。その時点で確認してください。

誰に頼めるか

依頼先ごとに、対応できるとされている範囲
依頼先退職の意思を会社に伝える有給・退職日・未払い賃金の話し合い損害賠償の請求や訴訟への対応
弁護士対応できる対応できる対応できる
労働組合対応できる団体交渉として対応できる対応範囲外
民間企業対応できる対応範囲外対応範囲外

労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)

公務員の退職は、労働組合法にもとづく団体交渉の枠組みが民間と同じようには働きません。

手続きの構造が違ううえ、条例や規則の解釈が絡むため、対応できる相手は限られます。争いが生じている場合、扱えるのは弁護士です。

判断がつかない場合は総合労働相談コーナーに相談できます。

依頼先を選ぶなら

公務員に対応していると明記しているかどうかを、いちばん先に見てください。料金の比較はその後です。

主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。

公務員に対応できる相談先を見てみる

先に読むのは規則

民間向けの記事に書かれている日数は当てはまりません。国家公務員なら人事院規則、地方公務員なら自治体の規則です。

そこに書かれている手続きが分かれば、書面の様式と提出先が決まります。運営主体ごとの対応範囲は弁護士・労働組合・民間の違いにまとめています。

よくある質問

公務員も2週間で辞められますか。

民法627条は期間の定めのない雇用について定めた規定で、公務員の退職はこの枠組みではありません。国家公務員法61条は、職員の退職は任命権者がこの法律および人事院規則に従って行うと定めています。日数を条文から一律に出すことはできません。

辞職の申し出は口頭でもよいですか。

国家公務員については、人事院規則八―一二第51条が「職員から書面をもって辞職の申出があったとき」と定めています。書面が前提です。地方公務員は各自治体の条例・規則によります。

承認されないことはありますか。

同条は「特に支障のない限り、これを承認するものとする」と定めています。承認しないことが原則として想定されていない書き方ですが、申し入れから当然に終了する民間の仕組みとは構造が違います。

退職代行は公務員でも使えますか。

対応の可否は依頼先によって違います。公務員への対応を明記していないサービスもあるため、申し込み前に確認してください。手続きの構造が民間と違うため、扱えるかどうかがそのまま分かれます。

地方公務員はどうなりますか。

地方公務員法の下で、各自治体の条例と規則が手続きを定めています。国家公務員の人事院規則は当てはまりません。所属の自治体の規則を確認してください。

弁護士に頼む場合の料金を確認できます

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