目次
- 受け取れる条件
- 自己都合なら2年間に12か月
- 倒産・解雇なら1年間に6か月
- 特定理由離職者とは
- いつから支給が始まるか
- 起点は求職の申込み
- 待期は7日
- 自己都合は給付制限が加わる
- 「2か月」は条文に無い
- 起算点は待期の満了後
- 職業訓練を受ける場合
- 何日分もらえるか
- 自己都合の場合
- 倒産・解雇の場合
- 差が大きい
- 算定基礎期間の数え方
- 受給期間は1年
- 手続きが遅れた分は戻らない
- 延長できる場合
- だから離職票を急ぐ
- 手続きの順番
- 1. 離職票が届く
- 2. 記載を確認する
- 3. ハローワークで求職の申込み
- 4. 説明会に出る
- 5. 失業の認定を受ける
- 持っていくもの
- 退職日を決めるときに見ておく
- 給付が始まるまでの期間
- 最後の給料からも引かれる
- 保険料も自分で払う
- 誰に頼めるか
- 依頼先を選ぶなら
- 先に自分の日数を出す
辞めた後の生活費が読めないと、退職日を決められません。
日数は条文に書かれています。ここでは雇用保険法の条文だけを見て、いつから何日分になるかを組み立てます。
支給が始まるまでの順番
受け取れる条件
雇用保険法第13条第1項は次のように定めています。
基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前二年間(中略)に、次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、(中略)支給する。
——雇用保険法 第13条(e-Gov 法令検索)
自己都合なら2年間に12か月
2年間のうち、被保険者期間が通算12か月以上です。
倒産・解雇なら1年間に6か月
同条第2項は、特定理由離職者と23条2項に該当する者について、「二年間」を「一年間」、「十二箇月」を「六箇月」と読み替えると定めています。
要件が緩くなります。勤続が短くても対象になる場合があります。
特定理由離職者とは
同条第3項は、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新を希望したのに合意が成立しなかった場合などを挙げています。
契約社員やパートで更新されなかった場合が、ここに当たります。
いつから支給が始まるか
起点は求職の申込み
離職した日ではありません。ハローワークで求職の申込みをした日からです。
離職票が届かないと申込みができないため、そこが遅れると全体が後ろにずれます。届かない場合は離職票が届かないを読んでください。
待期は7日
雇用保険法第21条は、求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間は支給しないと定めています。
これは離職の理由にかかわらず全員に適用されます。
自己都合は給付制限が加わる
第33条第1項は次のように定めています。
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。
——雇用保険法 第33条(e-Gov 法令検索)
「2か月」は条文に無い
条文が書いているのは1か月以上3か月以内という幅と、公共職業安定所長が定めるという点までです。
具体の期間は管轄のハローワークで確認してください。
起算点は待期の満了後
離職日から数えるのではありません。待期の7日が終わってから、制限の期間が始まります。
職業訓練を受ける場合
同項ただし書は、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間などを例外としています。
何日分もらえるか
自己都合の場合
雇用保険法第22条第1項の区分です。
| 算定基礎期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 20年以上 | 150日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 10年未満 | 90日 |
年齢による差はありません。
倒産・解雇の場合
第23条第1項は、年齢と算定基礎期間の組み合わせで定めています。
| 年齢\算定基礎期間 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 35歳以上45歳未満 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 30歳未満 | — | 120日 | 180日 | — |
差が大きい
勤続15年の45歳が自己都合なら120日、解雇なら270日です。150日の差になります。
離職理由の記載が実態と違う場合、この差がそのまま出ます。扱いは退職勧奨なのに自己都合にされたにまとめています。
算定基礎期間の数え方
第22条第3項は、同一の事業主に被保険者として雇用された期間とし、前の会社で被保険者だった期間も通算するとしています。
ただし、間が1年を超えて空いている場合や、過去に基本手当を受け取ったことがある場合は、その前の期間が除かれます。
受給期間は1年
ここを落とすと、日数があっても受け取れません。
第20条第1項は、離職の日の翌日から起算して1年を受給期間としています。
手続きが遅れた分は戻らない
所定給付日数が330日ある人が、離職から半年後に手続きを始めると、1年の枠に収まりません。残った分は消えます。
延長できる場合
同項は、妊娠、出産、育児その他の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない場合、申し出れば日数を加算できるとしています。上限は4年です。
だから離職票を急ぐ
会社の届出の期限は離職の翌日から10日以内です。届かないまま待っている時間が、そのまま受給期間を削ります。
手続きの順番
1. 離職票が届く
会社からの郵送で届きます。2枚組になっています。
2. 記載を確認する
離職理由の欄を必ず見てください。事業主の記載に同意できない場合、異議を申し立てられます。
3. ハローワークで求職の申込み
住んでいる場所を管轄するハローワークです。勤務先の管轄ではありません。
4. 説明会に出る
日程が指定されます。
5. 失業の認定を受ける
指定された日にハローワークへ行き、求職活動の状況を申告します。以降、原則として4週間に1度のサイクルです。
持っていくもの
- 離職票(2枚)
- 本人確認の書類
- 証明写真
- 預金通帳かキャッシュカード
- マイナンバーが分かるもの
窓口によって異なることがあるため、行く前に確認してください。
退職日を決めるときに見ておく
給付が始まるまでの期間
自己都合なら、待期7日と給付制限を合わせた期間は無収入になります。ここを見込んで貯えを計算してください。
最後の給料からも引かれる
住民税がまとめて引かれる時期があります。1月から4月に辞めると手取りが大きく減ります。
計算は住民税がまとめて引かれるにまとめています。
保険料も自分で払う
健康保険と年金の切り替えが同時に来ます。期限は国民健康保険が14日以内です。
比べ方は保険証の返却と切り替えにまとめています。
誰に頼めるか
| 依頼先 | 退職の意思を会社に伝える | 有給・退職日・未払い賃金の話し合い | 損害賠償の請求や訴訟への対応 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 対応できる | 対応できる | 対応できる |
| 労働組合 | 対応できる | 団体交渉として対応できる | 対応範囲外 |
| 民間企業 | 対応できる | 対応範囲外 | 対応範囲外 |
労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法/弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)
給付の手続きは本人がハローワークで行うものです。依頼先が代わりに申請することはできません。
離職票が届かない、離職理由の記載が実態と違う。ここは会社とのやり取りになるため、扱える相手が変わります。
無料で見立てを得たい場合は総合労働相談コーナーに相談できます。
依頼先を選ぶなら
離職票が届くまで催促を続けてもらえるかを、申し込み前に確認してください。ここが止まると、受給期間の1年がそのまま削られます。
主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。
先に自分の日数を出す
算定基礎期間と離職理由が分かれば、上の表で日数が決まります。
そこから受給期間の1年を引いて、いつまでに手続きを終える必要があるかを逆算してください。退職後の流れは退職したあとに必要な手続きにまとめています。
よくある質問
失業給付はいつからもらえますか。
求職の申込みをした後、失業している日が通算して7日に満たない間は支給されません。自己都合で辞めた場合はこの待期の満了後、さらに給付制限の期間が置かれます。雇用保険法33条は1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長が定める期間としています。
自己都合だと2か月待つと聞きました。
条文には具体的な月数が書かれていません。雇用保険法33条1項は「1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間」としており、幅と裁量までが条文の内容です。実際の期間は管轄のハローワークで確認してください。
何日分もらえますか。
自己都合の場合、雇用保険法22条1項により算定基礎期間10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。倒産や解雇による離職は23条の表が適用され、年齢と勤続によって最大330日になります。
勤続1年未満でももらえますか。
自己都合では通常受け取れません。13条1項は離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることを要件としています。ただし倒産・解雇や特定理由離職者は、同条2項により1年間に6か月以上で足ります。
手続きが遅れるとどうなりますか。
20条1項は、受給期間を離職の日の翌日から起算して1年としています。この期間を過ぎた分は受け取れません。所定給付日数が長い人ほど、遅れた分がそのまま減ります。
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