目次
- 範囲を決めているのは運営主体
- 民間の事業者
- 労働組合
- 弁護士
- 頼めること
- 会社への連絡
- 窓口になること
- 希望を伝えること
- 会社が応じない場合
- 頼めないこと
- 物のやり取り
- 私物の運び出し
- 書類の申請
- 転職先の紹介
- 会社を説得すること
- 会社の反応を保証すること
- 自分の手元に残る作業
- 1. 貸与品を送る
- 2. 私物の扱いを決める
- 3. 書類を受け取る
- 作業量そのものは多くない
- 立場によって範囲が変わる場合
- 派遣社員
- 契約期間の定めがある場合
- 公務員
- パート・アルバイト
- 申し込み前に確認する項目
- 2番目が特に効く
- 4番目も落としやすい
- 自分に必要な層を決める
- 争っていることがあるか
- 争っていないなら広げない
- 判断がつかない場合
- 依頼先を選ぶなら
- 見るのは層と、残る作業
「全部やってくれる」と思って申し込むと、当日に想定外が出ます。
範囲は依頼先ごとに違いますが、決めているのは料金ではありません。運営主体が何かによって、できることの上限が決まります。
3つの層に分かれる
範囲を決めているのは運営主体
| 依頼先 | 退職の意思を会社に伝える | 有給・退職日・未払い賃金の話し合い | 損害賠償の請求や訴訟への対応 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 対応できる | 対応できる | 対応できる |
| 労働組合 | 対応できる | 団体交渉として対応できる | 対応範囲外 |
| 民間企業 | 対応できる | 対応範囲外 | 対応範囲外 |
労働組合の代表者や委任を受けた者は、労働組合法第6条により使用者と交渉する権限を有するとされています。いっぽう弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは弁護士法第72条で禁じられており、民間企業が会社と交渉した場合はこの規定に触れる可能性が指摘されています。自分の事情がどれにあたるかの判断は弁護士の領分です。条文:労働組合法/弁護士法(e-Gov法令検索・2026年8月確認)
料金の差ではなく、この表のどこまで扱えるかが本質的な違いです。
民間の事業者
会社と交渉を行った場合、弁護士法72条との関係で非弁行為に該当する可能性が指摘されています。
そのため、意思を伝えて連絡の窓口になるところまでが基本の形になります。
労働組合
労働組合法6条は、労働組合の代表者または委任を受けた者が、労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有すると定めています。
団体交渉という枠組みで、条件の話ができる立場になります。
弁護士
法律事務を扱えるため、金銭の請求や訴訟まで対応できます。
条文の整理は退職代行は違法なのかにまとめています。
頼めること
会社への連絡
退職の意思、退職希望日、本人への連絡を控えてほしい旨を伝えてもらえます。
窓口になること
以降のやり取りを依頼先が受けます。自分が会社と直接話す場面が無くなります。
希望を伝えること
有給の消化、書類の郵送、返却の方法。希望を伝えるところまでは、どの依頼先でも扱えます。
会社が応じない場合
ここで層が変わります。認めさせるための話し合いになるため、扱える相手が限られます。
| 場面 | 必要な層 |
|---|---|
| 退職の意思を届ける | 1 |
| 書類の郵送を依頼する | 1 |
| 有給を認めないと言われた | 2 |
| 退職日を認めないと言われた | 2 |
| 未払いの賃金を請求する | 3 |
| 損害賠償を請求された | 3 |
頼めないこと
物のやり取り
貸与品の梱包や発送を代わりに行うサービスではありません。荷造りと郵送は自分の作業です。
返し方は制服・貸与品を会社に行かずに返すにまとめています。
私物の運び出し
ロッカーや机の中身を取りに行ってもらうことはできません。送ってもらう、処分してもらうのどちらかを会社に依頼する形になります。
書類の申請
失業給付の手続きは本人がハローワークで行います。健康保険や年金の切り替えも同じです。
順番は退職したあとに必要な手続きにまとめています。
転職先の紹介
退職代行の範囲ではありません。併せて案内している事業者もありますが、別のサービスです。
会社を説得すること
引き止めを封じる仕組みではありません。会社が説得を試みても、依頼先ができるのは意思が変わらない旨を伝えるところまでです。
決めるのは本人なので、揺れている段階で申し込むと途中で止まります。
会社の反応を保証すること
会社が本人に連絡してこないことを、依頼先が保証できるわけではありません。連絡があった場合にどう対応するかを確認しておいてください。
自分の手元に残る作業
申し込んだあとも、次の3つは自分で行います。
1. 貸与品を送る
社員証、制服、鍵、パソコン、健康保険証。追跡番号が出る方法で送り、控えを残します。
2. 私物の扱いを決める
送ってもらう、取りに行く、処分してもらう。どれかを選んで伝えてください。
3. 書類を受け取る
離職票、雇用保険被保険者証、源泉徴収票。郵送で届きます。届かない場合は請求が必要になります。
作業量そのものは多くない
3つとも、合わせて1時間ほどで終わる内容です。会社と話す場面が無くなることが、依頼する意味の中心になります。
逆に言えば、荷造りや役所での手続きの手間を減らすためのサービスではありません。ここを期待して申し込むと、金額に見合わないと感じます。
立場によって範囲が変わる場合
同じ依頼先でも、雇用の形によって扱いが変わることがあります。
派遣社員
伝える先が派遣先ではなく派遣元です。依頼先が正しい相手に連絡できるよう、派遣元の名称を先に渡してください。
整理は派遣社員が辞めたいにまとめています。
契約期間の定めがある場合
民法628条の枠になるため、期間の定めのない雇用とは前提が違います。契約期間の欄を確認してから相談してください。
詳しくは契約社員が期間の途中で辞めたいにまとめています。
公務員
任免の手続きが法律と規則で定められています。民間と同じ形では進みません。対応の可否を申し込み前に確認してください。
パート・アルバイト
扱いは正社員と同じです。雇用形態によって料金を分けている事業者もあるため、総額を確認してください。
申し込み前に確認する項目
範囲は事業者によって違います。公式サイトか無料相談で確認してください。
- 対応してもらえる範囲(伝えるだけか、条件の話まで入るか)
- 申し込み後に会社が金銭の話を持ち出した場合の扱い
- 追加の費用が発生する場面
- 対応してもらえる期間はいつまでか
- 会社から本人に連絡があった場合の対応
- 途中で取りやめた場合の扱い
2番目が特に効く
申し込んだときは争いが無くても、連絡した後に会社が違約金や損害賠償を持ち出すことがあります。
そのとき別の依頼先に切り替えることになるのか、追加の費用で対応してもらえるのか。ここを聞いていないと、途中で止まります。
4番目も落としやすい
退職日の後に会社から連絡が来ることがあります。その時点で対応が終わっていると、自分で受けることになります。
自分に必要な層を決める
争っていることがあるか
有給、未払い、退職日、返還の請求。1つでも会社と認識が食い違っているなら、層が上がります。
争っていないなら広げない
対応範囲の広い依頼先は、そのぶん料金も上がります。使わない範囲に払う必要はありません。
判断がつかない場合
総合労働相談コーナーで無料の相談ができます。自分の状況がどの層かの見立てが得られます。
依頼先を選ぶなら
必要な層を決めてから料金を見てください。順番を逆にすると、範囲が足りない依頼先を選ぶことになります。
主要なサービスの料金を並べた比較はどこに頼むかにまとめています。
見るのは層と、残る作業
伝えるだけで足りるのか、条件を詰める必要があるのか。ここが決まれば依頼先は絞れます。
当日の流れは依頼した当日、何が起きるのかにまとめています。
よくある質問
全部やってもらえるのですか。
会社への連絡と、その後のやり取りの窓口になってもらえます。ただし貸与品の郵送、私物の引き取り、書類の受け取りは自分の作業として残ります。物のやり取りを代わりに行うサービスではありません。
有給の消化もお願いできますか。
希望を伝えてもらうところまでは、どの依頼先でも扱えます。会社が認めない場合に話し合いが必要になるため、そこから先は運営主体によって扱えるかが変わります。申し込み前に確認してください。
未払いの残業代も請求してもらえますか。
金銭の請求は、辞めることを伝えるのとは別の行為です。扱える相手が限られます。金額が大きい場合や訴訟の話が出ている場合は弁護士が対応する範囲になります。
転職先も紹介してもらえますか。
退職代行の範囲ではありません。転職の支援を併せて案内している事業者もありますが、退職の手続きとは別のサービスです。混ぜて考えると判断がぶれます。
失業保険の手続きもやってもらえますか。
申請は本人がハローワークで行うものです。離職票が届いてから自分で手続きに行く流れになります。書類が届かない場合の会社への催促は、依頼先が扱えることがあります。
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